2021年2月28日日曜日

東野 圭吾 容疑者Xの献身 (文春文庫)

 


『7日間ブックカバーチャレンジ』番外編296日目

 今日は、住宅ローンの借り換えを申込みました。私は変動金利なんて、不安定でいつ上がるかわからなくて怖いため避けていましたが、今の時代は安定して低金利のため、変動金利が有利だそうです。ちなみに変動金利の元になる短期プライムレートはバブルがはじけて20年以上ずっと低いままです。さらに、なぜ今が金利の最低値であるかというと、ズバリ短期プライムレートからの割引率が最大になっているのです。大事なのは割引率です。住宅ローンをご検討している方は、変動金利の割引率にご注目してご検討してください。

 さて、今日お勧めする本は、ベストセラー作家東野圭吾の直木賞受賞作です。

 本書の最大の魅力は、ガリレオこと天才物理学者の湯川学と、その最大の好敵手である、ダルマの石神こと、天才数学者石神の対決です。

 石神は、数学以外に友達がいないような生活を送っていますが、唯一心を寄せる女性がいます。それがアパートの隣人、花岡靖子です。靖子は別れた前の亭主から逃れるため、ホステスをやめて弁当屋で働いています。

 靖子は、どこかで自分の居場所をかぎつけた前夫の富樫から執拗に迫られ、中学生の娘美里とともに、その富樫を殺めてしまいます。その二人を救うため、靖子に想いを寄せる石神が事件の隠蔽と、警察への対応を引き受けます。

 そこから、警察対石神の知恵比べが始まりますが、石神の想定外であった事が、かつて大学で親友であった湯川が事件の謎解きに加わったことです。石神の巧妙な偽装も、湯川には通じず次第に真相に迫っていきます。

 石神が靖子を愛するがために下した、壮絶な決断とその真相にたどり着いたとき、私は凄まじい衝撃を受けました。そして、全編を通した石神の愛情の深さに涙腺が崩壊しました。作品中では、謎を解く湯川もかつてないほどに動揺し、かなり苦しい決断をすることになります。

 この作品をミステリーとしてか、純愛の物語としてか、楽しみ方は読者に委ねられますが、私は後者として、心揺さぶられました。是非ご一読ください。

0 件のコメント:

コメントを投稿