2021年11月28日日曜日

自惚れは、思っている以上に大事なんです。



 息子と深い話をしたんです。

 息子曰く、校長先生とか、多くの先生に、「若いうちにたくさん失敗しなさい」と言われたと。それって、どうなの?と。

っで、私は答えたんです。


 人が成長するためには、失敗が最短ルートだよ。先生が言うのは間違いない。反省こそが成長の鍵だよ。


 息子曰く、「失敗したら、後悔するじゃない。反省と後悔って、何が違うの?


っで、私は答えたんです。


 誰だって、失敗すれば後悔する。だけど、後悔の引きずり方は、人それぞれ。そして、後悔を反省に切り替えるために、大事な言葉があるの。

 それは、「じゃあ?」この二文字。どんなに辛く悲しい経験をしても、「じゃあ、どうする?」って、独り言のように口にすると、脳みそはバカだから、一生懸命前向きな答えを探すんだよ。


もう一つ、私は息子に付け加えて話したのです。


 人は反省すると大きく成長できる。イチローだって、誰も反省しないような細かいところを反省して、一流になれた。だから、反省は、人が成長する上でめちゃくちゃ大事な要素。

 でもね、反省で人が成長するには、ものすごいエネルギーが必要なの。そのエネルギーになるのは、自惚れとか、根拠のない自信なの。だから、何でも良いから、何か上手くいったら、目一杯、自分を褒めてあげて、良い気分に浸るの。その気持ちよさが、自分を先へ先へ押し上げていってくれるんだよ。

っと。

皆さんは、どう思いますか?


ローランドのこの本は、自惚れが人を成長させることを学べる良いテキストです。とてもおすすめの書籍です。

2021年11月1日月曜日

10月に読んだ本

10月の読書メーター
読んだ本の数:3
読んだページ数:1198
ナイス数:83

続 泥流地帯 (新潮文庫)続 泥流地帯 (新潮文庫)感想
◎本作では、大災害を生き残った拓一、耕作兄弟が、その悲しみを埋めていく姿が描かれている。大災害を契機に、貧しい農民という生き方を決別し、自由に生きていく可能性もあった拓一。しかし、拓一は、豊かさや安寧よりも、祖父母が耕してきた土地の復興にこだわり、休みなく懸命に働く。前作のテーマが貧しさに生きて、克服していく姿であれば、本作のテーマは、貧富に関わりなく、自分の信じる様に生きる価値を描いた作品だと思います。正しい者は報われ、心根が悪いとバチが当たると言うのは、人間の単なる願望に過ぎないと、拓一は語ります。
読了日:10月01日 著者:三浦 綾子
学びを結果に変えるアウトプット大全 (サンクチュアリ出版)学びを結果に変えるアウトプット大全 (サンクチュアリ出版)感想
◎精神科医による、アウトプットによる自己啓発を説く本。あらゆる場面でのアウトプットを論じるだけでなく、知的活動全般に気づきを得ることができる。本を読んだり、動画を見て学ぼうとしても、インプットだけではダメ、いくらやっても忘れてしまう。しっかりと自分の身につけるためには、アウトプットが大事。インプットとアウトプットの黄金比は3:7。意識してアウトプットに取り組む必要がある。アウトプットの手段は探せばいくらでもある。例えば、話すことも立派なアウトプット、今ではSNSと言う便利なツールもある。
読了日:10月15日 著者:樺沢紫苑
護られなかった者たちへ護られなかった者たちへ感想
◎非の打ち所がない善人として知られていた福祉事務所職員が殺される。その事件の謎をめぐり、福祉事務所や生活保護制度について、詳細に掘り下げられている物語。貧困について、福祉政策について深く考えさせられる作品だった。それだけに、ミステリーというジャンルに拘った、若干不自然なストーリー展開が蛇足に感じられる。老人、母子家庭、前科者という、社会的に立場の弱い3人が肩を寄せ合い、築いた擬似家族。そんな束の間の幸せが少しずつ壊れていく描写が読んでいて辛かった。
読了日:10月30日 著者:中山 七里

読書メーター

貧困に向かい合わされる壮絶な物語:護られなかった者たちへ [ 中山 七里 ]

 心の震える読書体験をしましたよ。中山七里さんによる『護られなかった者たちへ』という小説です。先月から上映されている同名映画の原作だそうです。

 震災後間もない仙台市と塩竈市が舞台です。非の打ち所がない善人として知られていた福祉事務所職員が殺される事件が起こります。その事件の謎を笘篠と蓮田という二人の刑事が探っていく中で、一般には知られることのない、福祉事務所の仕事の様子や、生活保護制度の実情が知らされていきます。

 感想としては、貧困について、福祉政策について深く考えさせられる硬派な作品だと思いました。それだけに、ミステリーというジャンルに拘ったが故の、ストーリー展開に不満を感じました。若干不自然で、蛇足に思えたのです。

 しかし、貧困についての描写と、人間ドラマの切なさが秀逸です。特に、物語の中盤で語られる、老人、母子家庭、前科者という、社会的に立場の弱い3人が肩を寄せ合い、築いた貧しくても暖かい擬似家族が物語全体の色合いを変えていきます。そんな束の間の幸せが少しずつ壊れていく描写が読んでいて辛かったです。

 よもや、この物語のような悲劇が現実に起きているとは考えたくはありませんが、ネット上で有名なひろゆき氏がYouTubeで気軽に生活保護申請を語る様子が不快に思えてならないようになりました。

 まだ、映画もやっているようなので、読書が面倒くさい方は、映画『護られなかった者たちへ』をぜひご覧になってください。