2021年11月1日月曜日

10月に読んだ本

10月の読書メーター
読んだ本の数:3
読んだページ数:1198
ナイス数:83

続 泥流地帯 (新潮文庫)続 泥流地帯 (新潮文庫)感想
◎本作では、大災害を生き残った拓一、耕作兄弟が、その悲しみを埋めていく姿が描かれている。大災害を契機に、貧しい農民という生き方を決別し、自由に生きていく可能性もあった拓一。しかし、拓一は、豊かさや安寧よりも、祖父母が耕してきた土地の復興にこだわり、休みなく懸命に働く。前作のテーマが貧しさに生きて、克服していく姿であれば、本作のテーマは、貧富に関わりなく、自分の信じる様に生きる価値を描いた作品だと思います。正しい者は報われ、心根が悪いとバチが当たると言うのは、人間の単なる願望に過ぎないと、拓一は語ります。
読了日:10月01日 著者:三浦 綾子
学びを結果に変えるアウトプット大全 (サンクチュアリ出版)学びを結果に変えるアウトプット大全 (サンクチュアリ出版)感想
◎精神科医による、アウトプットによる自己啓発を説く本。あらゆる場面でのアウトプットを論じるだけでなく、知的活動全般に気づきを得ることができる。本を読んだり、動画を見て学ぼうとしても、インプットだけではダメ、いくらやっても忘れてしまう。しっかりと自分の身につけるためには、アウトプットが大事。インプットとアウトプットの黄金比は3:7。意識してアウトプットに取り組む必要がある。アウトプットの手段は探せばいくらでもある。例えば、話すことも立派なアウトプット、今ではSNSと言う便利なツールもある。
読了日:10月15日 著者:樺沢紫苑
護られなかった者たちへ護られなかった者たちへ感想
◎非の打ち所がない善人として知られていた福祉事務所職員が殺される。その事件の謎をめぐり、福祉事務所や生活保護制度について、詳細に掘り下げられている物語。貧困について、福祉政策について深く考えさせられる作品だった。それだけに、ミステリーというジャンルに拘った、若干不自然なストーリー展開が蛇足に感じられる。老人、母子家庭、前科者という、社会的に立場の弱い3人が肩を寄せ合い、築いた擬似家族。そんな束の間の幸せが少しずつ壊れていく描写が読んでいて辛かった。
読了日:10月30日 著者:中山 七里

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