2021年2月4日木曜日

和田 秀樹 テレビの大罪 (新潮新書)

 


『7日間ブックカバーチャレンジ』番外編272日目

 最近、「Clubhouse」という単語をよく見かけるようになりました。その正体はiPhoneのみで使える音声によるチャットが出来るSNSアプリとの事です。なんとなくですが、音だけのTwitterっていう感じのように思われます。本当にスマホの普及からSNSの広まりと、コミュニケーションの変化には目を見張るものがあります。これはメディアのあり方にも大きく影響しているようです。実際、うちの息子はテレビよりYouTubeを見ている時間が圧倒的に長いし、職場の若手にも家にテレビがない人は割といるようです。

 さて、今日お勧めする本は、視聴者への影響力からテレビの罪悪を訴える本です。

 本書の主旨は、テレビが悪と決めつけるとそれに乗っかる人が多く、予想外の害悪を生み出すから危険だよ。って事だと思います。

 10年以上前に発行された本のため、挙げられている例がちょっと古く感じますが、それでも、テレビの体質は変わっていないことが再確認出来る内容ではないかと思いました。

 本書からテレビの罪は三つあると感じました。一つ目は、これが普通、これが理想など、人の価値観に与える影響が大きい事。二つ目は、正と悪を二元化し、多様な視点を持たず悪をひたすら叩く世論を形成してしまう事。三つ目は、元ヤンキーなど特別な経歴が必要以上に評価され、まともな生き方より極端な生き方に魅力を感じる人を醸成してしまう事。

 コロナ騒ぎでもそうですが、テレビが「マスクをせずに歩いている人がいる」とか「自粛をしないで夜の街に繰り出している人が減らない」など報道する影響で必要以上のバッシングが発生します。

 最近でいえば、河井 案里参議院議員の問題もかなりテレビの影響が大きいニュースですが、あれに煽られて、「河井 案里はけしからん」など思っている人は、要注意です。

 テレビでコロナや河井議員などのニュースを見て、思わず怒りを感じてしまった人は、ぜひ本書をご一読して、まずは落ち着いてください。

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