2021年2月19日金曜日

白石 一文 ほかならぬ人へ (祥伝社文庫)

 


『7日間ブックカバーチャレンジ』番外編287日目

 昨日の報道でもあったが、東京五輪・パラリンピック大会組織委員会の新会長に橋本聖子参院議員がついたとのこと。まあ、既定路線どおりと言う感はあるが、まずは、無事に開催に向けて全力を尽くしてほしい。驚いたことに、アンケートなどでは大半の人が東京オリンピックは中止するものと考えているらしい。それもこれも、マスコミの悲観的な煽り情報がもたらした結果と私は感じていますが、とにかく、開催はマストだと思っています。これだけ、コロナがコントロールされ、医療環境も十分確保されている先進国として胸をはって世界に発信してほしいと思います。

 さて、今日お勧めする本は、恋愛について深く考えるキッカケになる本です。

 『ほかならぬ人へ』と『かけがえのない人へ』の2編の小説からなる本です。

 表題作『ほかならぬ人へ』が、私は好きです。主人公は、宇津木明生。元麻生のお屋敷が実家というお坊ちゃんです。しかし、明生は兄たちに比べ出来が悪く、生きることに辛さを感じながら生きています。

 そんな明生にもチャンスが訪れ、池袋のキャバクラで出会った「ブクロのミキティ」と称されたなずなと結婚します。しかし、誰もが羨む美人との結婚生活は長く続かず、結局なずなとは別れることになります。なずなとの関係が悪化する中、職場の上司東海さんにひかれ、頼っていく自分に気がつきます。東海さんはブサイクですがバツイチで凄腕のキャリアウーマンです。

 なずなと別れてからの東海さんと明生の物語が心に残る作品です。大人になってからは、恋愛についてあまり考える機会を失ってしまいがちですが、この作品から、あらためて恋愛に向き合うことができると思いました。ぜひご一読下さい。

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