2021年2月11日木曜日

小路 幸也 娘の結婚 (祥伝社文庫)

 


『7日間ブックカバーチャレンジ』番外編279日目

 今日は、新発田市生涯学習センターに家族で行ってきました。講堂で行われた、わたじん楽器ヤマハ音楽教室主催の発表会で娘が演奏するので、その応援です。発表会って、そこでたった一曲演奏するだけで、何千円も参加費がかかるので、教室がボロい商売しているように見えます。しかし、発表会までの娘の練習状況や上達ぶりなど見ていると、教室に通う子供たちの成長に絶対に必要なものだと思います。今年はコロナ禍のため、対策を万全に開催されました。本当に関係者の方々に感謝です。

 さて、今日お勧めする本は、男手ひとつで育てた娘を嫁に出す親の物語です。

 主人公は國枝孝彦。國枝は百貨店に勤めていて、職場結婚した妻を16年前に交通事故で亡くしています。忘れ形見となった、娘の実希が会って欲しい人がいると、言ってきます。実希はもう25歳で、結婚を考えている相手の紹介とのことです。当然相手から娘さんと結婚させて下さいと、頭を下げられる儀式も想定されます。

 國枝にとってもめでたい話ではあるのですが、その相手は自分も知っている男でした。彼は実希の幼馴染、妻が亡くなるまで実希と三人で住んでいた賃貸マンションの隣人の息子さんだったのです。その隣人とは家族ぐるみで付き合っていたのですが、妻を失った直後、そのマンションから引っ越す事にした國枝に、亡くなった妻と隣人との不仲を忠告する近所の人間がいたのです。

 娘たちだけでも幸せであれば良いと考える國枝ですが、妻と不仲であった隣人と、嫁姑の関係になっても大丈夫なのか不安が拭えません。そんな娘の結婚に向かっていく過程で、亡き妻に関する様々な真実が明らかになっていく、そんなお話です。

 とにかく、親子のお互いの愛情にホッコリさせられました。最初から最後まで自分の娘の判断を大切にしようと言う國枝の愛情に感動しました。なにせ登場する人物一人一人が、温かくとても良い人ばかりですので、安心して読み進める事ができました。人間関係に疲れた時に読むと癒されて良い本だと思います。ぜひご一読下さい。

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