2021年2月12日金曜日

福井 晴敏 亡国のイージス 上下巻(講談社文庫)

 


『7日間ブックカバーチャレンジ』番外編280日目

 森会長が辞任だそうです。私は非常に残念です。なぜなら、あまりに減点主義が行き過ぎているように思えるからです。本来なら、人は仕事の成果や能力で評価されるべきです。こんなあげ足取りが大事な人事に影響するのは、少し度を超えたただの祭りです。ハロウィンのスクランブル交差点のように見えます。今日の報道番組では、森会長の辞任を求める男性のコメントが放送されていました。曰く「これで問題が解決されたわけでは無いので、私たち一人一人がキチンと向かい合っていく必要があります」だそうです。私には、何が解決されていなくて、何に向かい合っていく必要があるのかさっぱりわかりませんでした。こんなコメントを垂れ流しているマスコミもどうかしています。こんな減点主義の世の中をプラスに持って行きたいのですが、本当に難しい課題です。

 さて、今日お勧めする本は、海上自衛隊を舞台としたダイハードとでも言うべき小説です。

 主要な登場人物は、家庭環境に恵まれず人付き合いが苦手なまま、努力と才能で生き抜こうとしている、如月行。海上自衛隊に唯一の居場所を見つけ、舞台となるイージス艦いそかぜの隅々まで熟知した、下士官のリーダー仙石恒史。海上自衛隊を親の代から勤め、数々の試練を乗り越え幹部候補まで出世したが、大事な一人息子を失い心に空白ができてしまった、イージス艦いそかぜの艦長宮津弘隆。

 北朝鮮の工作員と結託した、イージス艦いそかぜの乗っ取り、東京湾の制圧といった反乱が発生し、この3人が巻き込まれていきます。これ以上はネタバレになってしまうので書けませんが、息をもつかせぬストーリー展開に、分厚い本なのですが、一気に読み終わってしまいます。

 海上自衛隊の装備や組織についてかなり詳しく書いてあるので、自衛隊にも興味が湧きましたし、日本の国防といことも大変考えさせられました。

 少し、硬派なテーマですが、展開はダイハードのように痛快な話となっていますので、ぜひご一読下さい。

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