2021年5月1日土曜日

トーマス・D. シーリー ミツバチの会議: なぜ常に最良の意思決定ができるのか


『7日間ブックカバーチャレンジ』番外編ラスト8日

 子供達を含めてのBBQはとても楽しい家族行事だと思います。家族で火を囲み、お腹いっぱいお肉を食べるという、わかりやすい楽しみ方は、子供たちにとっても非常に楽しい思い出になるようです。コロナで色々制限がかかる中、楽しい休みにしたいので、今年の連休中に、なんとかもう一度BBQをやってみたいと思います。

 さて、今日お勧めする本は、ミツバチが教えてくれる民主主義の最適な方法について考える本です。

 本書の魅力は、ミツバチの研究から、民主的に最良の意思決定を得るヒントを導き出しているところにあります。本書で使われている言葉は平易で、図表も多く、非常に読みやすく分かり易い本だと思います。

 本書で取り扱っているのは、ミツバチの巣の分蜂という、コロニーの成長過程で起こるイベントです。ミツバチはその分蜂という過程で、元の巣から三分の二の蜂が女王蜂を連れてお引越しをします。

 その際、どこへ引っ越すのか決める為、一部のベテランの蜂により、広範囲な探索と候補地の選定が行われ、巣全体の合意形成がなされて、一斉にその候補地に飛んで行くのだそうです。

 そのプロセスを40年に渡り研究してきた著者が丁寧に解き明かしていくのです。それは奇しくも、人の脳の意思決定メカニズムに類似するという著者の指摘もあります。終章ではミツバチの智恵を活かした理想的な集団意思決定手法を提案しており、私たちの現代社会において参考となるメカニズムが提示されています。

 自然科学と社会科学を融合させるヒントがたくさん詰まった本だと思います。是非ご一読ください。

 

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