2021年5月4日火曜日

池井戸 潤 下町ロケット (小学館文庫)


『7日間ブックカバーチャレンジ』番外編ラスト5日

 この連休中で一番のお天気であった今日、娘が行きたがっていたシャボン玉の企画に参加するため、自然科学館に行ってきました。シャボン玉の企画も良かったですし、自然科学館の展示物もとても楽しんでいたようでした。その中でも、プラネタリウムを観たのは大正解で、娘にとって初めての体験になりましたが、非常に喜んでいました。私は昔からプラネタリウムが好きなのですが、作り物とはいえ、星空の美しさにはいつも感動します。

 さて、今日お勧めする本は、中小企業の町工場が様々な困難を乗り越えて、ロケット部品の開発に成功すると言う、実に痛快な小説です。

 本書で、主人公佃社長が困難を乗り越えるカギとなるのは、品質にこだわり抜いたプライドです。

 主人公の佃が経営する佃製作所は、かつてロケットエンジンの開発研究者であった佃が家業を継いでから、エンジンに関する技術とノウハウの評判の高い会社となりましたが、売り上げが100億円に満たない中小企業です。その佃製作所には、大口取引の終了やライバル会社からの訴訟、銀行からの融資見送りなど、様々な困難が次々に立ちはだかります。

 これらの困難に佃はお金がかかる研究開発に手を抜くことなく、そこから得られる技術力とノウハウを武器に、困難を乗り切っていきます。この品質と技術力に対するプライドが、多くの人を惹きつけ、味方となり困難の解消に結びついていくのです。

 真面目に頑張る人や会社が報われるという明快さが、読む人を勇気づけてくれる物語です。是非ご一読ください。

 

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