2020年10月19日月曜日

小川 洋子 猫を抱いて象と泳ぐ (文春文庫)

 『7日間ブックカバーチャレンジ』番外編164日目


 新発田市の防災情報・防犯情報などをメールにて配信するサービス、新発田あんしんメールに先日登録したところ、1日5〜6件の熊の情報が送られてくる。登録したばかりなので、毎年のことなのか、最近特に多いのか分からないが、熊の情報が多い。それだけ山に居るのだから絶滅の心配はまだいらないという理解でいいのでしょうか?


 さて、今日お勧めする本は、『博士の愛した数式』で知られる小川洋子さんによるチェスのプレーヤーを描いた小説です。


 本作の魅力は、チェスのゲームの中に潜む勝ち負けを超越した、静かで美しい世界がひしひしと伝わってくるところだと思います。


 主人公のリトルアリョーヒンはチェスをこよなく愛し、駒の奏でる美しい音楽を味わうことのできる能力を持ったマスターと出会うことにより、この深遠な世界に足を踏み入れていきます。


 チェスの美しさとは対照的に現実世界が少し醜悪に描かれているところも、対照的で印象深く感じます。祖母の布巾、海底チェス倶楽部、太ったマスター、小さい主人公等。


 著者は、『博士の愛した数式』の時もそうでしたが、本作でも非常に静かで独特な世界に連れて行ってくれる素晴らしい作家さんだと思います。



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