2021年4月27日火曜日

ダニエル・タメット ぼくには数字が風景に見える (講談社文庫)


『7日間ブックカバーチャレンジ』番外編ラスト12日

 後輩から、ジュニアnisaと学資保険はどっちがいいかと聞かれ、学資保険はやめた方が良いとアドバイスしました。しかし、彼らは保険屋さんに定期預金より利息がつくからと勧められて、結構お得なイメージを持っているようです。これは半年前の私と同じ状態。実際は、12年コツコツ積み立てて、ようやく2%に満たない利息を得る保険です。因みに年率4%の投資信託を同額積み立てたら得られる利息は25%になります。定期預金の利息は0.002%と1万円預けて利息が20銭。確かに定期預金よりは増えるでしょうが、幼稚園児とのかけっこのようです。数学はもちろん、数字の知識は大事です。

 さて、今日お勧めする本は、数字の語学の天才による自叙伝です。

 本書の著者は障害者です。著者はアスペルガー症候群という障害を抱え、いわゆる一般の人には理解できない不安や緊張に包まれた毎日を懸命に生きています。同時に著者はサヴァン症候群という超人的な頭脳に恵まれており、数学と語学には俗人では太刀打ちできない能力を持っています。

 そんな著者の半生が素直に描かれている本書には、よく迷子になってしまうことや、人の目をみつめられないなど、著者が苦手とすることを少しずつ克服して行く姿が描かれており、そこから勇気をもらうことができました。著者の様な障害者と自分が、垣根のない連続的な存在として感じることもできました。

 読み手の障害の有無を問わず、気持ちの良いサクセスストーリーとして楽しめると思います。是非ご一読ください。


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