2021年4月18日日曜日

宮部 みゆき ソロモンの偽証 全6巻 (新潮文庫)


『7日間ブックカバーチャレンジ』番外編ラスト21日


 今日は、Suicaについて復習していました。友達が電車通勤を始める際に、定期券などの最適な方法を聞かれたことに答えるためです。私の結論は、定期はモバイルSuica、その支払いにビックカメラSuicaカードとするものです。私は、楽天カードでかなり恩恵を受けていますが、キャッシュレス決済はそのほとんどが、モバイルSuicaです。スマホを近づけるだけで支払いが終わるので、クレカ払いよりも、PayPayのようなバーコード決済よりも、圧倒的に簡単です。還元率も通常1.5%、ビックカメラでは11.5%とかなりお得です。今後は、ビックカメラSuicaカードでPayPayも始めようと考えています。


 さて、今日お勧めする本は、中学生が自分達で裁判を行って真実に迫ろうとする少しぶっ飛んだ設定のミステリーです。


 物語で追及していくのは、クリスマスイブに学校の屋上から転落して死亡した同級生について、自殺なのか他殺なのかという謎です。


 まず、素晴らしいのは、作者ならではの人物描写です。登場人物一人々々が細かく丁寧で、かつ容赦なく描かれています。さらにそれぞれが持つ人間の嫌なところも漏らさず描いているところが面白いと思いました。例えば優等生が出来の悪い友達を疎ましく思うところ等です。


 物語の中盤では、加速度的に面白くなっていきます。学校内裁判という奇抜なイベントで真実に迫ろうとする生徒たち。そして、それを妨害する大人と手をかそうという大人。皆が、事件により深く傷つき、影響を受けています。


 そこに来て、神原少年というキャラクターの登場により、ますます、事件に複雑さが出てきます。中盤では特に、学校内裁判へ証拠集めをする弁護側と検事側が少しずつ真実に迫っていくところが描かれています。読者を巧く焦らしながら、大胆にヒントを与える加減は作者が最も得意とするところですから、もう、ページをめくる手が止まらなくなります。


 最後には、学校内裁判という、ともすれば茶番に見える設定も、登場人物一人一人にとって、とても大切な儀式であったと納得できました。真相を知ることでしか、傷を癒すことのできなかった登場人物たちにお疲れ様と声をかけたくなりました。


 とにかく長い作品ですので、手をつけるのも覚悟が必要ですが、それだけの時間をかけて読む価値のある作品だと思いました。真実とは、正義とはなんなのか、考える機会になると思います。是非ご一読ください。


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