2021年4月20日火曜日

加藤 陽子 それでも、日本人は「戦争」を選んだ (新潮文庫)


『7日間ブックカバーチャレンジ』番外編ラスト19日

 日本学術会議の任命問題がまだ燻っているようです。任命拒否された6人の研究者のうち、5人が学術会議の「連携会員」「特任連携会員」として活動に参加することになったそうです。さらに、19日には、元会員の方が任命拒否の撤回を求める6万人超の署名を内閣府に提出したとのことです。任命拒否をめぐっては、学問の自由が侵されたなど、物騒な言葉が飛び交っていますが、本音はどこにあるのでしょうか?なんとなく、研究費などのお金がもらえなくなって騒いでいるようにしか思えないのですが、どうなのでしょうか?

 さて、今日お勧めする本は、第一次世界大戦以降、太平洋戦争終戦までの歴史の読み解き方について、中高生への講義したものを書籍化した本です。

 著者は、日本学術会議の任命を拒否された6人のうちの一人、加藤陽子東京大学教授です。

 本書では、冒頭で歴史を学ぶ意義、暗記の学問ではない視点で、近現代史を振り返るといろいろなことを歴史が教えてくれると説いています。曰く、時々の戦争は、国際関係、地域秩序、当該国家や社会に対していかなる影響を及ぼしたのか、また時々の戦争の前と後でいかなる変化が起きたのか、本書のテーマはここにあるとのことです。

 講義を受ける生徒達も優秀で、受け答えが非常にテンポ良いです。中高生への講義という形式が、著者から幅の広い説明を導くことにつながっており、本書の内容がより深くわかりやすいものになる効果を与えています。

 太平洋戦争の戦前から戦後まで、歴史の流れを強く感じ学ぶことのできる本です。是非ご一読ください。



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