2020年11月15日日曜日

内田 樹 街場のアメリカ論 (文春文庫)

『7日間ブックカバーチャレンジ』番外編191日目


 306対232。バイデン氏とトランプ大統領の獲得した選挙人獲得結果です。私が想像していたよりも、ずいぶん差がついた様に思いました。トランプ大統領は、未だ敗北宣言を出さず、批判が高まっているそうです。民主主義の根幹をなす選挙がこれだけ荒れてしまうのは、先進国として如何なものかと思いました。


 さて、今日お勧めする本は、アメリカの専門家では無い著者による、大学院でのアメリカ論演習を書籍化したものです。


 本書の主旨は、アメリカを知る事は、我々がアメリカをどう捉えているか知る事であり、日本人を知る事と同意ですよ、という事だと思います。


 本書では、アメリカについて、その歴史から近年の話まで、11章渡るテーマで掘り下げ論じられている。また、本書のアメリカについては、トクヴィルの『アメリカにおけるデモクラシーについて』をベースとしている。


 序盤のアメリカの歴史的系譜がとても参考になると思うのですが、私が面白いと思ったのは、4章のアメリカの統治システムについてです。それは多数決を最良の知として、少数の賢者によらず、多数の愚者による統治が、システム化されているというところです。


 つまり、トランプ大統領が独裁的に、アメリカ至上主義的な政策を進めてきたように見えることも、結局アメリカ国民の多数が求めて来たことであり、トランプ大統領がやろうとして出来なかった事も、アメリカ国民の多数が求めていない結果である。アメリカはその様にトップがすげ変わっても、国民の多数が求める政策が進められる様にシステムができているとのこと。


 本書は難しく、上記の私の理解も少し自信がありません。全て読み通すには骨が折れるのですが、さまざま気付きの多い名著ですので、ぜひ、ご一読をお勧めします。


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