2020年11月12日木曜日

雫井 脩介 望み (角川文庫)

『7日間ブックカバーチャレンジ』番外編188日目


 コロナにかかって亡くなった方は1800人を超えているそうです。その一方、コロナ禍で、自殺者が増えているとの報道がありました。10月の自殺者数は約2100人。昨年の10月から600人増えています。それぞれ様々な動機があるでしょうから、その600人がコロナ禍で増えたとは言えませんが、相当数がコロナの影響であろうことは否定できません。そんな中、わたしのできることは、マスク着用の上で昨年レベルの消費活動を続ける事だと思っています。


 さて、今日お勧めする本は、家族が少年犯罪事件に巻き込まれた時、果たして自分はどんな結末を望むのかを問いかける小説です。


 この作品は、建築士の父親、一登とフリーの校正の仕事を持つ母親、貴代美の視点から語られる4人家族の物語です。


 連休の土曜日に息子の規士が出かけて、帰って来なくなります。そんな中息子の友達が少年犯罪の被害者として遺体が見つかりました。


 息子の規士の関与が疑われ、ネットやマスコミから犯罪者の家族としてバッシングを受けますが、規士が加害者であるかも、被害者であるかも、全く家族である一登たちには知らされません。


 そんな過酷な状況で、一登は被害者であったとしても息子の無実を信じ、貴代美は加害者であったとしても息子の生存を望みます。


 まあ、こんな辛いお話ですが、少年犯罪の報道を目にした時、その家族や関係者の気持ちに寄り添う事にも繋がるかも知れません。


 今、映画も上映されている様です。是非ご一読ください。


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