2021年1月3日日曜日

司馬 遼太郎 峠 上中下巻(新潮文庫)

『7日間ブックカバーチャレンジ』番外編240日目


 昨年は全く雪の無かった異常な冬でしたが、今年はすでに十分すぎる雪が降ってくれました。年末年始の雪のけで早くも身体が悲鳴を上げています。除雪車も正月休み返上で、一日中働いてくれます。オペレーターを始め関係者の方々に感謝です。


 さて、今日お勧めする本は、司馬遼太郎が長岡藩家老河井継之助の奮闘を描いた長編小説です。


 物語は、冬支度に華やぐ長岡城下から始まります。長岡が雪国である事を憂えています。そして安政の大獄の行われている時期の江戸に行きたいと、長岡藩の家老に赦しを乞います。武家の世が終わる激動の時に長岡藩がどうするべきなのか考えたいからです。


 継之助は陽明学の徒で、自分の主題に命を燃やし、危機的状況にあっては自ら行動して、活路を切り開くという主義の人であり、常に狂人と例えられるほど、物事を考えているそうです。そのように継之助の強烈な個性が描かれていくのですが、その極みとして記されるのは、春を待つ事なく、大雪の中、命懸けで三国峠を越えていくエピソードです。


 序盤から継之助のキャラクターが強烈でどんどん物語に引き込まれていきます。その後、継之助の名を知らしめた戊辰戦争へと運命が流れていきますが、継之助から見た歴史が面白いです。


 映画化もされ、今年上映とのことなので、ぜひ原作も手に取ってみてください。

 




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