2021年1月24日日曜日

関 満博 現場主義の人材育成法 (ちくま新書 (538))

 

『7日間ブックカバーチャレンジ』番外編261日目


 最近はワーケーションに関するイノベーションが活発になっているようです。今日の新潟日報には妙高市がダイハツなどと共同で、軽トラを活用したモバイルワークステーションの実証実験を行っているとの報道がありました。キャンピングカーの様な仕事場は凄く魅力的ですが、ワーケーションやテレワークのデメリットが気がかりです。コロナ禍で進むテレワークやワーケーションでは、オフィスの持つ人材育成の場としての機能がどうしても補完できない様に思います。人材育成という課題解決が必要だと思います。


 さて、今日お勧めする本は、地方や中小企業など、比較的逆境にある地域経済を支える人材を育てるケーススタディをまとめたものです。


 本書の主旨は、指導者が先端の現場に身を置き、相手に世の中の先端を実感させれば、相手にやる気が起きて育って行くよって事だと思います。


 一橋大学商学部で地域産業を教える著者は、自分のゼミナールで中国や地方都市の工場など、先端の現場で夏合宿を行い、知識だけでなく先輩たちの持つ熱気や情熱を学生達に感じさせるように指導をしています。


 本書では、著者の教え子達が中国の深圳テクノセンターにインターン留学した例があげられています。深圳テクノセンターは、生産業の集積地で激アツの場所だそうで、教え子達が見違えるように成長していく姿が描かれており、人材育成の成功例を追体験することが出来ます。


 他にも、岩手県での地域産業育成についても、現場でリーダーとなる人材を育てる梁山泊のような状態が伝わってきてワクワクします。


 本書で語られるケースは全て、先端の現場で頑張る先輩達と教え子達が触れ合う事で現場の熱量が人に伝わり、人材育成につながっていくことが記されています。ここから、人を育てるのはコミュニケーションが大事である事を改めて認識することが出来ました。


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