2020年8月8日土曜日

柳田 理科雄 空想科学読本

 『7日間ブックカバーチャレンジ』番外編92日目

 夏休みの自由研究といえば、何年か前に小説「走れメロス」の記述から、メロスの移動速度を算出検証した、「メロスの全力を検証」という中学生の研究を思い出します。

 その検証のなかでは、あんなに一所懸命に走っているようなメロスもラストスパートですら、時速5.3kmとの事ですから、文章とデータではかなりの差が生じてしまうようです。

 コロナ騒動でも、データを文章化する際にいろいろと印象を植え付けられているような気がしてなりません。

 さて、今日お勧めする本は、創作の世界を科学的に検証する第一人者、柳田理科雄さんの空想科学小説読本です。シリーズ200万部の人気のある書籍です。

 この本に貫かれているのは、科学の基本です。それは、様々な事実を数字で置き換えてみようとする試みです。そしてSFの世界の現象も同様に置き換えたらどうなるか、という面白さがこのシリーズの肝です。著者の持つ数値への畏敬の念であふれています。

 逆に言えば、SFの創作者が数値に少し疎いところから、1兆度の火の玉を発するゼットンなどのとんでもない設定が登場するのかもしれません。

 とにかく数字を大切にとらえることから、科学は始まっていくのだと思いました。とても面白い本です。

番外編では、ジャンルに拘らず、自分がもう一度読みたい本、どうしても人に勧めたい本を上げております。


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