2020年8月11日火曜日

又吉 直樹 火花 (文春文庫)

 『7日間ブックカバーチャレンジ』番外編95日目


 今日お勧めする本は、かなりの方が読んでいるとは思うのですが、まだ機会のない方もいると思うので、ご紹介します。


 ストーリーはベタな売れない芸人の話です。主人公の徳永と、徳永が衝動的に弟子入りした師匠の神谷。この二人がお笑いに対して懸命に取り組む日々が綴られていきます。


 芸人である作者だから書ける笑いに対する哲学、笑いの力を信じてやまない感じ、それがリアリティを持って伝わってきます。


 まっすぐ道を進む中で時たま漏れる迷い。夢を追う人には響く優しさが溢れていると思います。かなりの回数で涙腺を刺激されました。


 特筆すべきは、作者の文章力です。「大地を震わす和太鼓の律動に、甲高く鋭い笛の音が重なり響いていた。」という一文から物語が始まるのですが、言葉選びの絶妙なところが伝わってくると思います。


 芥川賞作品かどうかにかかわらず、素晴らしい作品ですので、ぜひご一読をお勧めします。

😊


 番外編では、ジャンルに拘らず、自分がもう一度読みたい本、どうしても人に勧めたい本を上げております。


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