2020年9月27日日曜日

東野 圭吾 時生 (講談社文庫)

 『7日間ブックカバーチャレンジ』番外編142日目


 先日観た『TENET』と言う映画が、訳わからなすぎて、頭から離れません。この映画のポイントは、入った人を時間を逆行する人に変える回転ドアが出てきて、映画の中にふんだんに逆行する人が現れ、ストーリーの流れがまったくわからなくなるというところです。天才にしか書けない脚本に圧倒されました。


 さて、今日お勧めする本は、不治の病で瀕死の息子トキオの意識が20年の時を遡り、どうしようもないろくでなしの頃の父拓実の前に現れ、その拓実を助けて、ある困難を乗り越えると言う小説です。


 作品の中にあるテーマは、生きているだけで丸儲け、生きている一瞬一瞬に未来はある。過去に囚われず、その時を幸せに過ごせたなら、どんなに短い人生でも納得する事ができる。と言うことだと思います。


 とにかく出鱈目な若い頃の拓実の若気の至りには辟易しますが、短い人生を必死に生きるトキオ君の健気さに涙が止まりません。傑作です。


 500ページを超える文庫本ですが、とても読みやすく、スピーディーな展開ですので、あっという間に読み終えてしまいます。


 番外編では、ジャンルに拘らず、自分がもう一度読みたい本、どうしても人に勧めたい本を上げております。


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