2020年9月13日日曜日

マイケル サンデル これからの「正義」の話をしよう (ハヤカワ・ノンフィクション文庫)

 『7日間ブックカバーチャレンジ』番外編128日目


 つい先ほど、全米オープンテニス女子シングルスで大坂なおみが2年ぶりの優勝を果たしたと言う嬉しいニュースがありました。大坂選手と言えば、マスクでの人種差別抗議が話題となりましたが、少しでも人種差別による悲劇が無くなって欲しいと思います。


 さて、今日お勧めする本は、人種差別などの社会問題を考える時に、何を正義とするのか考えさせられる名著です。


 「なぜ、多数決で社会問題が解決できないのか? 」「なぜ、人に迷惑をかけなければ何をしても良いという言葉に違和感を持つのか? 」この様な疑問を持ったことはないでしょうか?


 先の二つの疑問はそれぞれ、多数決の正義や自由至上の正義を前提としていますが、それぞれ万能では無いと言うところからの疑問です。そして、その様に一見合理的かつ正しい、幾つもの考え方に疑問を呈し、読者を深い考えに導いて行くところに本書の良さがあります。


 本書では、大きく分けて、幸福、自由、美徳のそれぞれを大切にする三つの観点から正義を論じています。私は、自分にとって正しい行動や言説はどのようなものか考え直す機会を得ました。


 ネットでの誹謗中傷や、コロナ禍の自粛警察など、新たな社会問題が起きた時に、広い視点で検討出来るよう、身につけておきたい知識だと感じました。決して読み易い本ではありませんが、ぜひご一読をお勧めします。

😊


 番外編では、ジャンルに拘らず、自分がもう一度読みたい本、どうしても人に勧めたい本を上げております。


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