2021年7月28日水曜日

一つ一つの真実が合わさると大きな誤解を生むことになります:小林賢太郎解任問題


 東京オリンピック開会式直前に取り上げられた事件で、まだ記憶に新しい事だと思いますが、過去の言動が悪意的に取り扱われるという事がありました。

NHKのニュースによる事件の概要
東京オリンピック・パラリンピックの開会式と閉会式のショーディレクターを務める小林賢太郎氏について、大会組織委員会は過去にナチス・ドイツによるユダヤ人の大量虐殺をやゆするセリフを使用していたとして22日、解任しました。

とのことです。

 この件でまた、ネット上は大騒ぎになりました。私が怖いのは、物事の真相を大雑把に要約することで、大きな誤解を生じさせているのではないかという事です。一つ一つの情報が正しくても、まとめ方によってミスリードを生じさせることは、難しいことではありません。

 私も、問題となったコントを見たのですが、とても面白かったし、小林さんのシュールな笑いに感動しました。問題となっている「ユダヤ人大量虐殺ごっこ」についても、着地のさせ方は間違っていますが、ホロコーストについて痛烈に皮肉るくだりだと感じました。

 それというのも、問題となったコントの一部分とは、それまでの話の流れの中で、人の形をした紙が大量に必要になった時に、「ユダヤ人大量虐殺ごっこ」というダメな企画で使った、ものすごい大量の人型が示されるのです。私は、ユダヤ人大量虐殺を表すために、紙でできた大量の人型を示すのは、シュールな表現方法としてありだと思うのです。コントでは、セリフにあった「ユダヤ人大量虐殺ごっこ」というフレーズに、それはダメでしょって言う笑いが起こっていました。お客さんが「ユダヤ人大量虐殺」というヤバイ言葉をボケとして提示されたのだと感じていたんだと思います。

 長くなりましたが、まとめます。「ユダヤ人大量虐殺ごっこ」という言葉は有りか無しかで言えば、絶対的に無しです。小林氏は「ユダヤ人大量虐殺ごっこ」という言葉で笑わそうとしたのか?については、そうでは無いと思います。むしろ、大量の紙切れのように扱われ、大量虐殺されたユダヤ人に対する暴虐を皮肉っているように感じました。ある意味ブラックユーモアとも言えるでしょう。しかし、「ユダヤ人大量虐殺ごっこ」という、不謹慎な言葉だけを拾い上げられ、必要以上に断罪されているように感じます。

 全てのことで言えることだと思いますが、一つ一つの事実をつなぎ合わせても、間違った結論に導くことはできます。小林氏が、「ユダヤ人大量虐殺ごっこ」という言葉を使ったコントを演じた。「ユダヤ人大量虐殺ごっこ」という言葉はユダヤ人を酷く傷つける言葉である。小林氏のコントで使った「ユダヤ人大量虐殺ごっこ」という言葉はユダヤ人を酷く傷つけた。それぞれが完全に正しいのですが、小林氏はあってはならないことの例としてあげた、「ユダヤ人大量虐殺ごっこ」という言葉が、意図的に取り上げられ、間違った結論に導かれてしまいました。

 私がリンクをはったひろゆき氏の意見が、最も簡便かつ客観的に今回の騒動を捉えているので、観ていただければ、ありがたいです。

 小林氏には気の毒な事ですが、ネット上には、人の正義感的なものを刺激して、大きな話題に盛り上げようとする解釈が往々にしてあります。私は、不快なニュースに特に注意しておかなければいけないと、改めて感じました。


 

 

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