2020年12月22日火曜日

東野 圭吾 赤い指 (講談社文庫)

 『7日間ブックカバーチャレンジ』番外編228日目


 落語家の林家こん平師匠が、今月17日、誤えん性肺炎のため亡くなったとの、ニュースがありました。笑点で活躍していた頃の元気なキャラクターを思い出し、とても残念に思います。御冥福をお祈りします。


 さて、今日お勧めする本は、老人介護などを含めた様々な親子のありかた(特に親不孝)をつなぎ合わせて一つの事件を描いた小説です。


 ある住宅街で幼女殺害事件が起きます。犯人はメインキャラである前原昭夫の息子です。前原は事件を隠蔽するため、遺体を公園に運びます。事件を捜査する刑事は、本作を含むシリーズの主人公加賀恭一郎です。加賀刑事の追及に、もう誤魔化せないと感じた前原は、認知症の母、政恵へ罪をなすりつけます。しかし、前原の嘘を見抜いた加賀刑事は、そこからさらに少しずつ前原を追い詰めていきます。加賀刑事はどこから事件の真相にたどり着いたのか?


 私は、本作を読んで、この容赦のないストーリー展開と描写から、自分の親不孝ぶりを目の前に突きつけられているような感覚を覚え、かなりショックを受けました。しかしラストはぐらぐらと力が抜けていく様に解放されるところもあり、こんなひどい結末にもかかわらず救いを感じます。親不幸している自覚のある方にお勧めします。ガツンときますよ!


購入はこちらから!






0 件のコメント:

コメントを投稿