『7日間ブックカバーチャレンジ』番外編222日目
ほとんど雪の降らなかった昨年とは違い、いつもの冬が戻って来た様です。長岡では12月から大雪になっています。やはり雪が降ると寒さの質が違うように思います。
さて、今日お勧めする本は、ジャックロンドンの短編集です。
この作品の魅力は、生きることの生々しさが伝わってくるところです。
本書には、以下の9篇が掲載されています。雪やボクシングの話がほとんどです。
火を熾す|To Build a Fire
メキシコ人|The Mexican
水の子|The Water Baby
生の掟|The Law of Life
影と閃光|The Shadow and the Flash
戦争|War
一枚のステーキ|A Piece of Steak
世界が若かったとき|When the World Was Young
生への執着|Love of Life
9つの作品に共通しているのは、とにかく生きるために戦っていること。表題作「火を熾す」では、雪のユーコン川を一人で行く男が、雪を踏み抜き、足を濡らしてしまいます。このままでは、凍傷となり動けず死に至るので、火を熾し乾かそうとする話です。この単純なストーリーがめちゃくちゃ面白く、深い作品となっているのですから、小説の面白さの原点があるのではないかと思います。
生きているということは、死なないこと、死に抗い続けることという事に気付かされました。なぜなら、今の日本は死に直面することがあまりに少なく感じるからです。死んでるみたいに生きたくない人やこの世が生きづらい人は、まずこの小説を読んで、生と死のダイナミックなコントラストを感じてほしい。そして冬のユーコン川をひとりで歩いてみてほしい。たぶん死ぬけど・・・。
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