2020年11月13日金曜日

伊吹 有喜 ミッドナイト・バス (文春文庫)

『7日間ブックカバーチャレンジ』番外編189日目


 今は携帯電話をほとんどの人が持っているため、街中で公衆電話を見かけなくなりました。携帯電話が当たり前の生活様式が普及した結果だと思います。この様に自由意志による生活様式の変化はやむを得ないと思うのですが、コロナ対策としての新しい生活様式というのは、根付かないだろうし、無理が有る様に思います。第三波が来ているようですが、無理の無い対策にとどめて欲しいと思います。


 さて、今日お勧めする本は、新潟を舞台にした小説で映画化もされた作品です。


 新潟が舞台となっていることから、私の周りでも映画を観たと言う人が、多いのですが、小説もとても良いのでお勧めです。まるで新潟のガイドブックとも読める小説です。物語も十分面白いのですが、それ以上に話の途中に出てくる新潟の描写に驚きました。もしかしたら、作者は新潟の出身ではないかと思うほど詳しく的確です。


 それだけでは無く、登場人物一人一人がとても丁寧に描写されているところも素晴らしいと思いました。そのなかでも、私は、過去の過ちに苦しみながらも、人のために尽くす主人公の息子の怜司がお気に入りです。


 映画とは違い、本筋のストーリーから離れ、夜行バスの周りで起こる、ヒューマンドラマがサイドストーリーとして、所々挟まれており、そこもとても良かったです。


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