2020年11月1日日曜日

10月に読んだ本

10月の読書メーター
読んだ本の数:9
読んだページ数:2709
ナイス数:206

ソクラテスの弁明 (光文社古典新訳文庫)ソクラテスの弁明 (光文社古典新訳文庫)感想
◯ソクラテスの弁明の訳と、その解説、プラトンの著作とその概要の紹介からなる本。ソクラテスの弁明は、これまで多く語られて来ただけあり、面白い。ソクラテスの主な主張は3点。一つは、人は全知ではないが、知っているつもりになっている、自分は知らないと思うだけ知恵がある事。次に、その事を人と議論したのは神の思し召しであり、悪い事では無く、裁判を受ける事になったのは、人の中傷や妬みからである事。最後に、死んでどうなるかは、誰も知らない事であり、恐れる事は哲学的でなく、故に恐れる事は無い。という事です。
読了日:10月01日 著者:プラトン

森は知っている (幻冬舎文庫)森は知っている (幻冬舎文庫)感想
◯児童虐待のサバイバー鷹野一彦が、スパイ組織の訓練を受け、産業スパイとして水道民営化に関する案件に関わっていく物語。冷酷なスパイ組織に生かされている鷹野に関わる人々は皆、影があるが暖かい。そんな中出会った言葉が素晴らしい。「一日だけなら生きられる。先のことなんか考えなくていい。たったの一日だけ。それを毎日続ければいい」
読了日:10月02日 著者:吉田 修一

ジョーカー・ゲーム (角川文庫)ジョーカー・ゲーム (角川文庫)感想
◎日本陸軍の情報勤務要員養成所、D機関で訓練されたスパイ達が暗躍する連作短編小説です。この作品の魅力は、D機関を率いる結城中佐と教え子達の超人的な能力です。チラッと見ただけの文章を暗記するやら、暗闇でも歩き回るやら、自白剤でも喋って良い事悪い事を使い分けるとか、すごいんです。事件が解決してから、真相の解説が始まるのですが、これが結構長いんです。そこでも二転三転するのでこの作品は、その種明かしのところを楽しむ作品だと思います。過酷なスパイの世界で生きるのは、自分には無理ですが、小説だけなら楽しめました。
読了日:10月06日 著者:柳 広司

ダブル・ジョーカー (角川文庫)ダブル・ジョーカー (角川文庫)感想
◎ジョーカーゲームの第二弾。前回はD機関メンバーの能力についての話が主だったが、今回は第三者が主人公のサイドストーリーの中にD機関がこっそり絡んでくる話が多く、まさにスパイが影で暗躍している感じが味わえる。連作短編となっており、インドシナ侵攻や、真珠湾攻撃へと歴史が進んでいく。
読了日:10月08日 著者:柳 広司

夢をかなえるゾウ3 文庫版夢をかなえるゾウ3 文庫版感想
◎ 夢ゾウ3作目、本作の主旨は、夢をかなえるためには、努力を継続できる事が重要。と言う事だと思います。本作ではガネーシャから出された課題を主人公がこなして行く中で、商売の対決をすることになり、商売についての教えが多い様に感じました。曰く、お客様を喜ばせる事が商売の秘訣。人を騙してでも儲けようとしても長続きしません。人に優越したいと言う気持ちが、少しでも得をしたいと言う行動となり、結果、人から喜ばれると言う商売の本質から外れてしまうそうです。サービスの本質は『他人に負ける事』との事。
読了日:10月10日 著者:水野敬也

パラダイス・ロスト (角川文庫)パラダイス・ロスト (角川文庫)感想
◯ジョーカーシリーズの第三弾。今回のテーマは、想定外についてと感じました。1話目の誤算では、D機関の島野が記憶を失うと言うアクシデントからの任務遂行。2話目の失楽園では、D機関ではご法度の殺人事件を利用しての任務遂行。3話目の誤算では、相手を想定外の手法で無力化。4、5話目の暗号名ケルベロスでは、任務中に想定外の事件が起こり、その対応を行うもの。いずれも、D機関の無敵ぶりでクリアしてしまうお話でした。
読了日:10月12日 著者:柳 広司

メモの魔力 The Magic of Memos (NewsPicks Book)メモの魔力 The Magic of Memos (NewsPicks Book)感想
◎メモのノウハウを教える本ではなく、メモにより抽象化能力を鍛えましょう、と言う本。著者によると、メモには二種類あり、「記録のためのメモ」と「知的生産のためのメモ」だそうです。知的生産のためのメモの取り方は、まず見開きで使い、左のページは事実、右ページの左半分にそれを抽象化する言葉、右半分にそれを転用したアイデア。つまり、事実、抽象、転用をメモる事で自分の知的生産性を高めることが出来るそうです。また、自分を深掘りして自分のコアに行き着くにもメモは最適のツールで、最終的に自分の夢を叶える事にも繋がるとの事。
読了日:10月16日 著者:前田 裕二

元素周期表で世界はすべて読み解ける 宇宙、地球、人体の成り立ち (光文社新書)元素周期表で世界はすべて読み解ける 宇宙、地球、人体の成り立ち (光文社新書)感想
◎東大で量子化学を学び、医師でタレントの著者が、周期表から元素の特徴や、今の世界に果たす役割を解説してくれる一冊。なるほどと思ったのは、人間が生きていくために必要な元素は、地球に沢山ある元素が占めるとか、ヘリウムはなぜ安全な気体として活用されているのかなど、具体例をあげてわかりやすく伝えてくれるところが、良いです。
読了日:10月23日 著者:吉田 たかよし

ドラフト外: 這い上がった十一人の栄光 (河出文庫)ドラフト外: 這い上がった十一人の栄光 (河出文庫)感想
☆ドラフト外と言う、ハンデを背負った上で、プロ野球界に名を残すかどうかは、チャンスを掴む能力にかかっている。チャンスを掴む能力とは、常に前向きな気持ちを持ち、成功のための作戦を練り、自分を磨き成長し続ける事が出来る能力なのだと、本書に登場した11人のエピソードに教えられました。
読了日:10月30日 著者:澤宮 優

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