読んだ本の数:15
読んだページ数:4167
ナイス数:217
反応しない練習 あらゆる悩みが消えていくブッダの超・合理的な「考え方」の感想
☆ 過酷な競争から成り立つ現代に生きながら、苦しみから逃れる方法をブッダの教えからわかりやすく説く書。全ての苦しみは自分の外側にある事象に反応して、自分の中に負の感情や妄想をいだくことから始まっているとの事。自分の呼吸など五感に意識を向け、苦しみの元となる外側への反応をやめる事が大事だそうです。幸せのためには、慈悲喜捨という、相手を思いやり共感し、自分の執着を捨てて、最高の納得を目指して生きる事によるそうです。
読了日:09月02日 著者:草薙龍瞬
そうか! 「会議」はこうすればよかったんだ (マイナビ新書)の感想
◎会議をレベルアップさせるヒントに満ちた実用書。会議のキモは、意見を出し合うブレストと、意見を絞り込んでいく議論を分ける事が一番大事。そして、うまくいく会議に必要な三要素は、前述のブレストと絞り込みの分離の他、会議の目的(スローガン)、会議の目標(ゴール)との事。そこに、会議のコンサルタントで得たちょっとしたコツなどもあり、この本の実践で会議の上級者を目指すことが出来る。
読了日:09月04日 著者:齊藤 正明
清明: 隠蔽捜査8の感想
◎主人公竜崎が神奈川県警刑事部長就任時の物語。着任早々、殺人事件が東京と神奈川の境界で起こり、警視庁刑事部長の伊丹と合同で指揮を執っていく。神奈川県ならではの、中華街との関係が鍵を握り、警視庁と神奈川県警のライバル関係も取り上げられる。中でも県警OB滝口とのやりとりが面白い。原理原則を貫き続ける竜崎の影響が、神奈川県警にどんな変化をもたらしていくのか、今後も期待が持てる。
読了日:09月05日 著者:今野 敏
放射線医が語る被ばくと発がんの真実 (ベスト新書)の感想
☆放射線をもっと知るべきだと思う。福島原発事故では放射線による死亡者はいませんし、放射線を原因とする癌は発生しないとの事です。むしろ、避難による生活環境の変化が悪影響となり、癌が増える可能性を示唆しています。チェルノブイリや、広島、長崎の原爆からのデータをもとに、科学的に放射線が与える人体への影響を説いてくれる本です。曰く、「100ミリシーベルト以下という、科学的なデータによる裏付けもない領域についても、「危険」と強調しつづけ、ストレスを抱えて生活習慣が悪化すると、かえって発がんのリスクを高めかねない」
読了日:09月08日 著者:中川 恵一
筋トレビジネスエリートがやっている最強の食べ方の感想
◎巷に広がるインチキダイエットに踊らされないための正しい食事法として、マクロ管理法を紹介し、解説する本。マクロ管理法とは、基礎代謝をもとに、1日に必要なカロリーを求め、それをタンパク質、脂質、炭水化物の3つの栄養素に分け、それぞれ食べるグラム数を算出し、その制限を守って食事をするもの。最初は計算が面倒くさいが、続ける事で楽に管理できるようになると言う。最初の1週間は結果を気にせず始める事が大事らしい。
読了日:09月09日 著者:Testosterone
これは経費で落ちません! ~経理部の森若さん~ 1 (集英社オレンジ文庫)の感想
◯天天コーポレーション経理部でそつなく仕事をこなし、過不足ない生活を送る地味美人、沙名子が主人公の連作短編集。優しく、湿った人間関係が苦手な沙名子が、営業部のエース太陽にせまられ、自分のペースを見失っていく。特に女性のキャラクターが、服やメイクの特徴まで描かれて、女性の作者らしい視点を感じた。
読了日:09月13日 著者:青木 祐子
LOVE理論の感想
◎夢をかなえるゾウの作者、水野敬也さんの書いた恋愛指南本。モテない男達をスパルタ的に恋愛達人に鍛え上げようという上から目線の文章が、腹が立つどころか非常に面白い。一つのエンターテインメントとなっている。作者の主張は、モテない男は、自分の主観から抜け出せないだけ、相手の視点で考える勇気を持って、少しずつ経験を積み重ねれば、高嶺の花に見える女性と付き合うのも楽勝との事。私がなるほどと思ったのは、うわっつらkindness理論です。女性が求める男の優しさは、表面上の優しさであるとし、レディファーストを徹底する。
読了日:09月14日 著者:水野敬也
半沢直樹 アルルカンと道化師の感想
◎人はあまりにも大きな影響を及ぼす真実にふれた時にどう対処するのかを問われる小説だと思いました。もちろん、半沢直樹シリーズの勧善懲悪のストーリーがとても気持ち良い読後感につながっています。性善説の半沢直樹ならではの、善意ある人々の決断も感動につながっています。
読了日:09月18日 著者:池井戸 潤
自粛バカ リスクゼロ症候群に罹った日本人への処方箋 (宝島社新書)の感想
◯何も考える事も疑う事もなく、多数派の言う事に従うのはやめましょうと言う本。日本が世界の工場としてGDP世界二位の立場にあったのは昔の話。今は日本は韓国にも地位を脅かされるところまで来ている。しっかり現状を把握しましょうとも語っている。
読了日:09月18日 著者:池田 清彦
糸 (幻冬舎文庫 は 36-1)の感想
△イマイチでした。それと言うのも、作者が何を書きたいのかが、全くわからないのです。含まれているテーマは沢山あります。人に優しい存在である事。運命には逆らえない事。成功も失敗も長続きしない事。地に足を付けて生きる事。それぞれが、各キャラクター毎の短編小説の様に綴られているのですが、一つ一つのパンチが効いてきません。ただ、香さんと結ちゃんのくだりは、ウルッと涙腺を刺激されました。
読了日:09月21日 著者:林 民夫
角栄に花束を 1 (1) (ヤングチャンピオンコミックス)の感想
◎田中角栄を語る多くの本では、政治家になってからのエピソードが多いのですが、この作品の様に若い頃のエピソードを伝えてくれるのはありがたいです。 漫画ですので、誇張やら笑いやら、かなり創作もあるのでしょうが、田中角栄ならではの3つの長所がしっかり描かれていて良いです。それは、バイタリティ、面倒見の良さ、努力が人並み外れているところだと思います。 漫画と言う媒体で若い人に少しでも興味を持ってもらいたいと思います。
読了日:09月21日 著者:大和田秀樹
リーダーの教養書 (News Picks Book) (幻冬舎文庫)の感想
◎骨太のブックガイド。リーダーに求められるのは実績や経験であることは、自明であるが、先が見えない未来に向けての決断にこそ、本から得られる教養が物をいうとの事。特に歴史や古典には、普遍的価値が高い叡智が含まれている。紹介されている本は、割と有名な本が多いが難しそうで手にとって来なかったので、再度チャレンジしてみようと思う。
読了日:09月24日 著者:出口 治明,楠木 建,大竹 文雄,岡島 悦子,猪瀬 直樹,長谷川 眞理子,中島 聡,大室 正志,岡本 裕一朗,上田 紀行
時生 (講談社文庫)の感想
☆ 本作は、不治の病で瀕死の息子トキオの意識が20年の時を遡り、どうしようもないろくでなしの頃の父拓実の前に現れ、その拓実を助けて、ある困難を乗り越えると言う小説です。 作品の中にあるテーマは、生きているだけで丸儲け、生きている一瞬一瞬に未来はある。過去に囚われず、その時を幸せに過ごせたなら、どんなに短い人生でも納得する事ができる。と言うことだと思います。 とにかく出鱈目な若い頃の拓実の若気の至りには辟易しますが、短い人生を必死に生きるトキオ君の健気さに涙が止まりません。傑作です。
読了日:09月27日 著者:東野 圭吾
チルドレン (講談社文庫)の感想
☆☆型破りな家庭裁判所調査官の陣内がそんなもの大したことじゃないと喝破する連作短編小説。この作品の魅力は、なんといっても主人公の陣内。出鱈目の様で、いつも真剣勝負。「駄目な少年は駄目なんだろ。あんたたちはそう言った。絶対に更生しないってな。地球の自転が止まることがあっても、癌の特効薬ができることがあっても、スティーブン・セガールが悪役に負けることがあっても、非行少年が更生することはない。そう断言した」 「俺たちは奇跡をやってみせるってわけだ。ところで、あんたたちの仕事では、奇跡は起こせるのか?」
読了日:09月28日 著者:伊坂 幸太郎
奇跡のリンゴ―「絶対不可能」を覆した農家 木村秋則の記録 (幻冬舎文庫)の感想
☆ 青森津軽で無農薬無施肥によるリンゴ栽培を確立した木村秋則さんの半生記。この本の主旨は、不可能と言われる事を成し遂げるには、思い付きだけでは無く、狂った様にのめり込み、それを何年も続ける必要がある。と言う事だと思います。自殺まで考え彷徨っている中にヒントを見つけ、さらなる研究努力により、ようやく方法を確立すると言う件は、読んでいるこちらまで、ほっとさせてもらいました。また、それを支えた家族も凄いです。何年も収穫ゼロのリンゴ畑で、害虫駆除を手伝う気持ちってどんなでしょう。奇跡を生む努力の実話です。
読了日:09月30日 著者:石川 拓治
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