『7日間ブックカバーチャレンジ』番外編168日目
全国の小中高校などが2019年度に認知したいじめの件数は、前年度より約6万件増の61万2496件で、過去最多を更新したそうです。特に気になるのは、児童生徒1000人当たりの認知件数で、政令市では、新潟市が最多の259.3件との事、最小の岡山市とは20倍以上の開きがあります。まあ、件数の減少にこだわり、数をごまかすよりは、ちゃんと認知しているだけ良いと考えたいと思います。
さて、今日お勧めする本は、小さな町の一人のいじめられっ子の死に関わる物語です。
本作のあらすじは、中学二年生のいじめられっ子が部室の屋根から転落して死亡した事をきっかけとして、その死の真相に様々な視点から迫って行く様子が描かれていく話です。読後は、どっと脱力してしまうような、すごい小説だと思いました。
特に、加害者とされる少年、その母親たち、その担任教師、被害者の母親、刑事、検察、新聞記者、クラスメート。実に様々な視点から語られる物語が見事に事実を浮かび上がらせて行くところに作者の筆力を痛感し、完全に脱帽です。
ただ、欲を言うと、ラストはちょっと中途半端に感じられ、もう少し描き足しても良かったのではないかと思います。あと、亡くなったいじめられっ子が本当のダメキャラで描かれているのですが、そこが逆に悲しく感じました。
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