2021年1月14日木曜日

道尾 秀介 カラスの親指 by rule of CROW’s thumb (講談社文庫)

『7日間ブックカバーチャレンジ』番外編251日目


 サッポロビールとファミリーマートは、デザインの一部に誤表記があることを理由に発売中止するとしていた「サッポロ 開拓使麦酒仕立て」を販売することに決めたそうです。販売中止の理由が「LAGER」を間違えて「LAGAR」としていた事だそうですから、販売再開は当たり前だと思います。しかし、何かあるとネットで叩かれちゃう現代、企業はこんな小さなミスも許されないのでしょうか?もっとも、販売再開を決めたのも、ネットでの反発が原因ですから、言葉がありません。


 さて、今日お勧めする本は、詐欺師が主人公なのですけど、ハートフルなどんでん返しを味わえる物語です。


 前述の通り、主人公は詐欺師のタケ。もともとは真っ当なサラリーマンだったが、転落人生の先で詐欺師となってしまう。詐欺師のコンビを組むのはタケさん。二人の元に、スリの少女まひろと姉のやひろ、その恋人の貫太郎が同居をすることとなる。奇妙な共同生活の中で、タケの転落人生のキッカケとなったヒグチに復讐するための『アルバトロス作戦』が開始される。果たして五人は無事作戦を成功し、復習を果たすことができるのか?


 ミステリーとしてもエンタメ作品としても十二分に楽しめました。登場人物一人一人の過去が切なくて、何度も休憩を入れないと読み進められませんでしたが、最後はとても救われた気がしました。怖いイメージだったタイトルも物語の概要を過不足無く表現した秀逸なものだと驚かされました。すばらしい作品です!



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