2021年1月2日土曜日

三浦 しをん 風が強く吹いている (新潮文庫)

 『7日間ブックカバーチャレンジ』番外編239日目


 1月2日には、我が家では箱根駅伝を観ていますが、毎年様々なドラマがあり目が離せません。この競技最大の魅力は10人の総合力の争いも良いのですが、各区間の区間賞争いや、区間新記録への挑戦、ごぼう抜きで順位を上げていく様子など、ずっとテレビから離れられません。今年は5区で開志国際高出身の山本選手が大活躍してくれました。あいだにはさまれるCMも、黒ラベルの大人エレベーターシリーズで、私は好きなんです。もしかして、私の黒ラベル推しは箱根駅伝で毎年刷り込まれているかなのかもしれません。


 さて、今日お勧めする本は、この箱根駅伝を目指す大学生たちの青春を描いた青春小説です。


 物語は、新年度を控えた3月から始まります。4年生の灰二(ハイジ)は寛政大学の弱小陸上部で一人箱根駅伝に出場する夢を見ていますが、肝心のメンバーが揃いません。ハイジの住む竹青荘にはハイジを含め9人の住民が居ますが、ハイジ以外誰一人竹青荘が、寛政大学陸上競技部錬成所という正式名称を知らない素人集団なのです。


 そして、その3月のある夜、万引きをして走って逃げる天才ランナーの走(かける)と出会うのです。走を迎え、10人となった竹青荘住人に対し、ハイジは箱根駅伝出場を半ば強引に宣誓してしまいます。


 ニコチン中毒のニコチャン先輩や、クイズマニアのキング、漫画オタクの王子など、箱根駅伝はおろか、スポーツにも不適合なメンバーをなだめすかし、時には強権発動して、ハイジは箱根駅伝ヘの挑戦を諦めようとしません。


 物語全体で受ける感動は素晴らしいのですが、途中どこを切り取って読んでも、面白く感動的です。この10人の挑戦はどの様な結末を迎えるのか?ぜひ手に取ってお確かめください。


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