『7日間ブックカバーチャレンジ』番外編255日目
昨日のことになりますが、阪神大震災から26年が経ったそうです。私が就職して初めての年に起こった出来事なのでよく覚えてます。あの地震では六千人を超える死者が出たとのことです。その後、耐震設計やら、様々な基準が見直され、今に至ります。その後も、中越地震、中越沖地震、東日本大震災、熊本地震など大きな地震を繰り返すたびに自助、共助、公助それぞれに防災意識の高まりが見られるように思います。これからも大地震の備えを忘れずに生きていこうと、思いました。
さて、今日お勧めする本は、一難去ってまた一難、震災避難所で女性が受ける苦難についての小説です。
主要な登場人物は福子、遠乃、渚の三人の女性です。三人はそれぞれ、地震津波の被害の末、避難所にたどり着きます。しかし、そこは彼女たちを心から安息させてくれるところではありませんでした。
本書を読んでいると、女性の苦労に全く無神経な自分に気付きました。男はよほど気をつけていないとセクハラばかりしてしまう存在のようです。
本書で一番印象的だったのが、避難所で一生懸命みんなのために働く避難所のリーダーが、みんなを困らせる存在になってしまう事です。リーダーは最初は頼りになる存在だったのですが、だんだん支配欲が出てくるのか、避難所が凄まじい管理社会になっていきます。正直に言って、弱者の方ばかりを向いていて、リーダーのように形だけでも、みんなのために働いている人の事を考えているのか、疑ってしまいます。
それでも、声を出せない側の存在に気付き、寄り添う大切さを知る良い作品だと思いますので、ぜひご一読ください。
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