『7日間ブックカバーチャレンジ』番外編260日目
新型コロナウィルス特別措置法と感染症法の改正案が国会に提出されたそうです。私にはこの法律改正が手順前後の感がして仕方がありません。今必要なのは感染拡大防止を法律を改正してさらに徹底して行く事なのでしょうか?感染者を犯罪者のように国に従わせようとする罰則規定もあります。今回の法律改正は、感染拡大防止しか見ていない単一的な視点による政治では無いかと思います。感染症に罹った人をどう救うのか?コロナ対策を支えるための経済をどう立て直して行くのか?政府が急ぐべき政策は他に沢山あるはずです。
さて、今日お勧めする本は、私たちの思考は自分の生きている環境からいかに影響を受けているかを考える、構造主義を分かりやすく伝える入門書です。
本書によると、構造主義というのは、私たちのものの見方、感じ方、考え方を基本的なところで決定しているのは、私たちが属している社会集団、地域、時代という条件によるとする考え方です。
さらに、私たちは自分では判断や行動は自分で決めていると信じているけれど、その自由や自律性はかなり限定的じゃないかという事を徹底的に掘り下げたところが構造主義という方法の功績だとのことです。
相手の視点からものを見てみようというのは、今では当たり前の事のように感じますが、それも構造主義の思考方法が一般的になっていることであり、自明なものになってしまった今は、ポスト構造主義の時代と呼ばれているそうです。
本書では、このような構造主義の概略説明から始まり、代表的な四人の思想家ソシュール、フーコー、バルト、ストロース、ラカンのそれぞれの功績を解説してくれます。
若干、硬い内容の本ですが、市民講座のノートをもとに書かれた本ですから、テーマの割に分かりやすいのではないかと思います。私も理解しているわけではありませんが、ものの見方が変わった感じがしました。ぜひご一読ください。
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