『7日間ブックカバーチャレンジ』番外編ラスト15日
先日のコロナに対する緊急事態宣言について、メンタリストDaigoさんがYouTubeで、反対意見を表明していました。ポイントは以下の3つ。まず、非常事態宣言がどのような効果があるのか、これまでの宣言について数字で検証した上で判断するべきである。世間に流されて宣言する事は政治家の仕事では無い。次に、そもそも、東京オリンピックを睨んだ政策のようだが、オリンピック自体不要であり、それに付き合わされて迷惑である。最後に補助金で飲食店など助けると言うが、どこから金が出るのか国民は意識するべき。補助金の幾分かは特定の利権を持っているところに流れる物であり、何年か後に復興税など、負担を求められるのは国民であると言う認識を持つ必要がある。政治家にキチンとダメ出しをしており、意見も至極もっともだと思います。オリンピックについては、私はやったほうがいいと思っていますけど。
さて、今日お勧めする本は、時の権力者に挑んだジャーナリズムの真髄とも言える本です。
田中角栄(ときの総理大臣)について、そのウラ側にある、金を頼みにした政治手法を様々な客観的なデータから追求したルポルタージュであり、最終的には、田中金脈問題により、角さんの政治生命(オモテの)を奪ってしまう発端となった記事を書籍としてまとめ直したものです。登記簿を一件一件調べていくなど、徹底した取材に裏付けられた、明快で論理的な文章はすごく迫力がありました。40年以上たっても色あせない、上質なジャーナリズムの素晴らしさを感じました。
下巻では主に田中角栄その人というより、ロッキード事件を振り返り、その背景を暴くものとして書かれています。テーマの大きさ、専門的(航空業界)な内容、取材や執筆にかける時間の不足という3つの要因から、上巻に比べて少し物足りなく感じました。しかし、それにもかかわらずやはり著者の才能やエネルギーを十分感じることができる内容だと思います。
ジャーナリズムの迫力がストレートに伝わってくる良書です。是非ご一読ください。
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