『7日間ブックカバーチャレンジ』番外編ラスト23日
100円ショップのSeriaは、業界第2位の大企業ですが、Seriaの創業者の一人が新発田の出身だそうです。名前は伊藤二作さん。伊藤さんはSeriaの大株主で、資産は80億円超。そして、2019年には、新発田市に高規格救急自動車を寄付してくださるような、社会貢献の活動もされているそうです。資産80億円超という事は、3%の配当金でも月に2千万円の配当所得が手に入る計算です。お金持ちになるなら、このように、社会のためになるようなお金の使い方をしてみたいものです。
さて、今日お勧めする本は、石油元売会社出光興産の創業者出光佐三さんをモデルにした、伝記とも言えるような小説です。
本書の魅力はとにかく、主人公の国岡鐵造がカッコイイという事に尽きます。
まあ、出光佐三さんをモデルにしているとはいえ、本当にこんな人がいたのだろうかと思ってしまうほど、常人には理解できない苦しい判断を下して行くところがすごいですね。物語の最初は終戦直後から始まります。その時、鐵造はすでに60歳、終戦直後の混乱期、物資も何もない状態で、鐵造の会社国岡商店の資産もほとんど失われた状態でも、鐵造は一人の社員も馘首にしないことを決断します。鐵造にとって社員は家族であり、最大の資産なのです。そんな鐵造を慕う人々が集まり、仕事も集まり国岡商店はどんどん成長していきます。
本書を読んだ感想は、鐵造の損得よりも人を大事に思い、国のためにあろうとするその厳しい生き方に感動しました。特に戦前、会社を興して、何とか軌道に載せて行こうとする、国岡鐵造のアイデア満載の営業努力が面白かったです。
上下巻で少しボリュームが多い小説に感じますが、波瀾万丈な展開にどんどんページが進み、大変読みやすい本ですので、是非ご一読ください。
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