『7日間ブックカバーチャレンジ』番外編ラスト28日
今日は、息子の遠足の準備。なんと、息子の学校の遠足ではバーベキューをやるそうで、一人一品の縛りの中、息子の担当は牛串。まずは肉を買うところから、火起こし、肉の下拵え、焼きと一通りを伝授。普段甘やかしすぎたツケをたっぷり払いました。うちの様な家庭でも子供が過保護になりがちですから、お金持ちや貴族などは、どうしたって過保護になってしまうんでしょうね。まあ、親の教育力の無さが主な原因なのは十分承知しています。
さて、今日お勧めする本は、SFでありながら歴史小説としての魅力に溢れるスペースオペラです。
本作品は、銀河を二分する銀河帝国と自由惑星同盟の宇宙艦隊の戦争を描くもので、銀河帝国ではラインハルト・フォン・ローエングラムと自由惑星同盟ではヤン・ウェンリーの2人が主人公として書かれています。
ラインハルトとヤンの二人はお互い用兵の天才なのですが、それぞれよって立つところが異なります。銀河帝国の貧乏貴族として生まれたラインハルトは、幼くして母親がわりの姉を時の皇帝に奪われます。それ以来、皇帝への復讐のため、軍人として戦果を挙げ出世し、皇帝への復讐を超え銀河の覇者を目指す様になります。
方や、自由惑星同盟のヤンは、歴史を学ぼうとしていましたが、経済的理由により、軍の士官学校の戦史科で歴史を学び、軍人となります。あくまで仕事として軍で働きますが、戦果を挙げ才能を認められたヤンは、早く引退したいという本人の意思とは裏腹に、どんどん大きな責任を負わされる様になっていきます。
本書の魅力は、ラインハルトとヤンの戦いという物語にとどまらず、銀河を舞台とした作品世界に堂々とした歴史の流れを描き込んでいるところです。銀河帝国では、封建政治の支配者層である貴族の腐敗と、その権力争いがあり、自由惑星同盟では、民主主義という名の衆愚政治の危険性が強く描かれています。
私は、自由惑星同盟で衆愚政治に振り回されるヤンが、「優れた独裁者による政治よりも、愚かな民主主義の方がマシだ」という信念に従い懸命に戦っているところがすごく好きです。
とても長い作品ですが、得るものは大きいと思います。是非ご一読ください。
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