『7日間ブックカバーチャレンジ』番外編最終日
いよいよ、1年間にわたって続けてきた、『7日間ブックカバーチャレンジ』番外編も今日でお終いです。1年間で365タイトル、400冊を超える本を紹介してきましたが、何か気になる本はありましたでしょうか?何回かFacebookで「その本読みました」などのメッセージもいただき、本当にありがたかったです。1ヶ月の読書量を調べた文化庁の調査では、16歳以上の100人に47人は1冊も読まない、38人は1から2冊だそうです。ちなみに、平均的な読書のスピードは1分間に1ページ、1日10分の時間をかければ、1ヶ月1冊のレベルに到達します。もっともっと本を読む人が増えて、酒でも飲みながら本の話ができる友達が増えたら良いな、と願うばかりです。
という事で、これからもペースは落ちますし、不定期になりますが、本の紹介は続けていきたいと考えています。
さて、今日お勧めする本は、星の王子さまを書いたサン=テグジュペリによる、職業パイロットの生き様を描く自伝小説です。
本書で取り上げたいのは、職業パイロット達の仕事に対する誇りと使命感です。
著者の生きた時代は、未だ飛行機の航路が未発達で、フランス、アフリカ、アルゼンチンを結ぶ定期郵便航路についても、開発途上の時代です。当然、仕事としてなされる一回一回のフライトは命懸けのものですし、実際、仕事で飛び立った僚友が帰ってこないという話が本作では何度も出てきます。しかし、著者を含め、職業パイロット達は淡々と仕事のために飛び立っていくのです。
本書では、いかに地球は人が住める場所が少なく、過酷な星なのか再三述べられています。道路は居住可能な土地を結んで出来るわけですから、道路しか使っていない人には、どこまでも居住可能な土地が広がっているように見えます。しかし、道路ではなく、飛行機で直線的に移動すると、地表の大部分が、岩石の、砂原の、塩の集積であって、そこにときおり生命が、廃墟の中に生え残るわずかな苔の程度に、ポツリポツリと存在しているに過ぎないことを発見するのだそうです。
こんな、過酷な環境で冒険のようなフライトを行なっているのですから、事故も起きます。本書では著者が奇跡的な生還を果たした遭難についても、多く語られています。そこで驚いたのは、自分が死にそうな事が辛いのではなく、人の期待に応えられない事が辛いと書かれているのです。作中より、『「ぼくが泣いているのは、自分のことやなんかじゃないよ」そうだ、そうなのだ、耐えがたいのはじつはこれだ。待っていてくれる、あの数々の目がみえるたび、ぼくは火傷のような痛さを感じる。彼方で人々が助けてくれと叫んでいるのだ、人々が難破しかけているのだ!我慢しろ、ぼくらのほうから駆けつけてやる!ぼくらこそは救援隊だ!』って、もう想像超えています。このセリフは、遭難して生きるか死ぬかの瀬戸際の著者が感じている事なんです。
ぼくが泣いているのは、自分のことやなんかじゃないと、自分が死に瀕した時、自分の使命に対して泣けるように、熱く生きていけたら幸せなのであろうと思います。
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