2020年8月9日日曜日

鬼塚 忠 恋文讃歌

 『7日間ブックカバーチャレンジ』番外編93日目

 7日間ブックカバーチャレンジからこの番外編まで数えて、100冊目。感動の一冊を紹介したい。私がこの作品を知ったのは、図書館の新刊本コーナーで目にしたのが初めてだったが、偶然の出会いに大感謝だった。この作品が文庫化も電子化もされていないのが残念でならない。

 さて、その内容ですが、祖父母の戦争体験を調べていき、隠された祖父からのメッセージを探し当てようとする物語。

 戦争の残酷さ、悲惨さが思いっきり心に刺さります。戦争は8月15日に終わったはずなのに、どこにでも終戦と同時に平和が訪れるというわけではなかったのです。特に大陸にいた、祖父母たち一般市民にとっても本当の地獄はそこから始まります。

 そして、ときには友好的に、ときには腹の底が見えない恐ろしい存在として描かれた、朝鮮人、ロシア人などから、そう簡単に埋まらない人種の壁を感じました。

 あっという間に物語の中へ引きずりこんでしまう巧みな文章も素晴らしいです。ぜひ、読んでみてください。めちゃくちゃ泣きます。

😭

 番外編では、ジャンルに拘らず、自分がもう一度読みたい本、どうしても人に勧めたい本を上げております。


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