2020年8月31日月曜日

東野 圭吾 沈黙のパレード

 『7日間ブックカバーチャレンジ』番外編115日目

 今日で8月は終わりです。子供の頃は夏休み最後の日として、宿題に追われる日でもありました。そうなってしまったのも、夏の終わりの新発田祭りに宿題そっちのけで遊びに行ってしまうからなのですが、今年はそれもありません。


 さて、今日お勧めする本は、久しぶりの東野圭吾作ガリレオシリーズです。


 東野圭吾のテーマでよく取り上げられる、裁かれない犯罪者に対する復讐が秋祭りのパレード当日に行われます。この事件の解決に向けて、ガリレオこと湯川が捜査に協力していくというものです。


 私は、どんでん返しの連続に、最後は何が本当なのか分からなくなってしまいました。そして、自分のたてた仮説をあえて語らず捜査のヒントを与え続ける湯川が、とことん科学者的なスタンスを持ち続けているところに魅力を感じました。

 


 番外編では、ジャンルに拘らず、自分がもう一度読みたい本、どうしても人に勧めたい本を上げております。


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2020年8月30日日曜日

林 修三 他2名 憲法論争 (NHKライブラリー)

 『7日間ブックカバーチャレンジ』番外編114日目

 安倍総理の辞任によって、一番影響を受ける政策は憲法改正問題ではないでしょうか?安倍総理は、憲法改正を明言していた総理大臣でしたから、安倍総理なくして憲法改正への動きが高まっていくとは思えません。


 今日お勧めする本は、憲法改正について考える材料としてとても良い機会になると思います。


 本書では、憲法にかかる4人の論者がそれぞれの立場から憲法について語っています。


 私は内閣法制局長官として、長年にわたり歴代政府の憲法解釈を支えてきた林修三さんの文が印象深かったです。


 皆さんの憲法についての考えに、もう一つの視点を加えるためにも、御一読をお勧めします。

^_^


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2020年8月29日土曜日

竹中 平蔵 政権交代バブル (Voice select)

 『7日間ブックカバーチャレンジ』番外編113日目


 安倍総理が辞任するとの事です。本当に長い間頑張っていただいたことに、感謝の言葉しかありません。次のリーダーに選ばれる方も、日本経済の立て直しを軸に、次のアベノミクスを進めてもらいたいと思います。


 さて、今日お勧めする本は、10年前の政権交代の中、小泉政権のブレーンをつとめた著者が民主党政権に物申すために書かれた物です。


 実力と評価の間に大きな差がある状況を経済ではバブルと言うが、民主党による政権交代をバブルではないかと示唆し、民主党政権発足直後からその崩壊を予見していた本書には、今も通じる経済政策のイロハがぎっしりつまっています。


 もともと、著者は小泉政権で経済政策の中枢にいた人なので、手前みそな発言も多いのですが、それをさっ引いても学ぶべきところが非常に多かったです。


 特に、社会保障を充実させるためには、税収を担保する経済成長が必須であること。グローバル社会の中では、自国に国際競争力のある企業を多く持てるかがカギとなること。など、今の日本に必要な提言がぎっしり詰まっています。


 政治では、良い物は時間が経っても色あせない様に思います。ぜひ、御一読をお勧めします。


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2020年8月28日金曜日

餃子とレバニラ最強説:中華料理 おがわ

 ビールが飲みたければ、餃子は必須。

そこにレバニラが加わるともはや最強。

長岡駅前の中華料理おがわでは、生ビールは無いが、ビールは大瓶650円とコスパも良い。

暑い夏には、あえて瓶ビールを注ぎ合う方が爽快だ。

キリンラガービールは味の濃い料理によく合う。

外で汗をかいた日は、こんなご褒美がないとね。


おがわの名物レバニラ炒め800円


おがわの餃子は、6ケ450円に気前良くサービスをつけてくれる。ありがたい。



鳥の唐揚げ1200円は、食べやすいように、切られて出てくる。


2020年8月27日木曜日

海堂 尊 新装版 イノセント・ゲリラの祝祭 (宝島社文庫 『このミス』大賞シリーズ)

 『7日間ブックカバーチャレンジ』番外編111日目


 厚生労働省が、新型コロナウイルスの暫定的な感染症法上の位置付けについて、見直しを含めて検討するそうです。ようやく、コロナ騒動が収束に向かう道筋が見えてきました。ただし、怖いインフルエンザのシーズンも目の前に迫ってきたので、手洗いうがいなどの習慣は引き続き持っていた方が良い様です。

 さて、今日お勧めする本は、『チーム・バチスタの栄光』シリーズの一作品です。


 本作も医療をテーマにした小説ですが、主戦場は会議室。登場人物の議論が中心の物語になっています。エンターテイメント向きでは無い様なテーマが「これがなんで面白いの?」って思う様に仕上がっています。医療現場での矛盾や問題を数多く見てきている作者だからこそ、書ける作品だと思います。


 印象に残るのは、彦根というかなりクセのあるキャラによる、最期の独壇場には身震いがするほどわくわくしました。


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2020年8月26日水曜日

夏樹 静子 裁判百年史ものがたり (文春文庫)

 『7日間ブックカバーチャレンジ』番外編110日目

 河井克行前法相、案里参院議員夫妻の裁判が始まったそうです。正直言って、検察も気合いが入っているなという印象。検事長定年延長問題というものがあったが、今回の裁判など見ると、官邸と検察の癒着などは考えられないと思います。


 さて、今日お勧めする本は、明治からこれまで、日本の司法を左右する12の裁判を取り上げたドキュメンタリーです。


 昭和までにおこった事件がほとんどなので、事件そのものを知っているわけではありませんが、大変読みやすく、ドラマチックに事件発生から裁判までの様子を追体験できます。


 いずれも今の司法に影響を与えているとのことですが、特に少年事件が発生した際によく耳にする、永山裁判も取り上げられているので、裁判制度を知る一助として、お勧めします。


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2020年8月25日火曜日

佐高 信 未完の敗者 田中角栄

 『7日間ブックカバーチャレンジ』番外編109日目

 安倍晋三首相の連続在職日数が2012年の政権復帰から2020年8月24日で2799日となり、歴代1位になったとのこと。まずは、安定して重責についていただいている事に感謝したい。昔は年中行事の様に首相が交代し辟易していたが、この安定感はとても良い事だと思う。最後までお体を大切に努めていただきたい。


 さて、今日お勧めする本は、私が大好きな田中角栄さんについて、様々な文献などからエピソードを集めた本です。


 まず私は田中角栄の人間的魅力に圧倒されました。田中角栄の唯一の宝物は老婆心だそうです。老婆心とは寒い冬にコタツでうたた寝している孫に自分の羽織を脱いでかけてあげる心とのこととわかりやすい例えがありました。


 自分の支援を断り、結局選挙に落選した候補の奥さんに、「いくら助力を申し出ても旦那は来ない人だから、困ったことがあったらあなたが来なさい」と落選の翌朝電話をかけたというエピソードが印象深かったです。


 私は若い頃、田中角栄さんを金権政治とかダーティーなイメージに振り回され、避けてきたのですが、そのことが恥ずかしく思います。今では、素晴らしい政治家だったと思っています。


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2020年8月24日月曜日

齊藤 正明 会社人生で必要な知恵はすべてマグロ船で学んだ (マイコミ新書)

 『7日間ブックカバーチャレンジ』番外編108日目


 今日お勧めする本ですが、タイトルがいかにもウケを狙いに行っている様に見えます。しかし、中身はとても読みやすく、面白い話題が多い本です。


 ある仕事の過程で、マグロ漁船に同行する事になったサラリーマンの書いた本で、マグロ漁についての紹介と、漁師達との会話から得た著者の気付きが記されています。


 この中でも、漁師達との会話が良いんです。方言丸出しでユーモラスな漁師達の言葉には、地に足のついた、説得力のある教訓が含まれています。


曰く、「つまりの、おいどーらは、おいどーらにできることをすべてやったんど。それから後のマグロが捕れるかどうかなんて、海が決めることど。齋藤ら陸の人たちは、人間ではどうにもならんことまで、なんとかしようとしちょる。それが疲るる原因よ」と、こんな感じです。


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2020年8月23日日曜日

池井戸 潤 BT’63 (講談社文庫)

 『7日間ブックカバーチャレンジ』番外編107日目


 私の所属するバンド、BACK TO THE 80'sも、メンバーの入れ替わりという、ターニングポイントを迎えています。少しでも早く皆さんにお披露目できるように頑張っていきたいと思います。


 ちなみに、BACK TO THE 80'sをBT80'sと表記することが多いのですが、実は今日お勧めする本の影響を受けています。


 このBT63'sは、池井戸作品の分水嶺とも言われている作品で、この後、半沢直樹シリーズなどヒット作を飛ばして行くようになります。


 本作もタイムスリップ物として、非常に面白い作品なのですが、最後に主人公が敵と対決するシーンは他の作品に無い、スリリングな描写が魅力的な物語になっています。


 ホラー的な結末を迎える池井戸作品も、たまには如何でしょうか?


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2020年8月22日土曜日

どでかい餃子と瓶ビール:本田屋食堂(新発田市)


 

新発田駅前の名店、本田屋にて、BACK TO THE 80'sの打ち合わせ。

瓶ビール690円を頼んだら、大瓶で来ました。もう、それだけでテンション上がる。ビバ大瓶!

お会計は3人で8000円弱で終了。安い!

餃子がでかい。一人前5個600円はそれだけでお腹いっぱいになるので、1人3個位で頼むのがお勧め。


この日のお通しは岩牡蠣。連れが苦手なお陰で、独り占め。



野菜炒め630円は普通のサイズ。美味しいです。

 


焼売600円も美味しくてオススメ。やはりデカイ!

ファラデー 他1名 ロウソクの科学 (角川文庫)

 『7日間ブックカバーチャレンジ』番外編106日目


 娘の夏休みの自由研究は押し花だそうです。私も小さい頃にやったことがあったのですが、やり方が下手だったのか、綺麗な色にならず、枯れ草を大量に作ってしまっていました。娘の押し花は今のところ上手くいっていて、綺麗な押し花ができてきました。


 こんな風に、夏休みは子供達が子供達なりに科学を自分の事として考える良い機会だと思います。多くの学校では自由研究と工作のどちらか選べると思うのですが、息子にはずっと自由研究をやらせてました。最近、息子が自由研究にはロマンがあるって言ってくれたのは嬉しかったです。


 さて、長くなりましたが、今日お勧めする本は、大科学者ファラデーが、子供達に向けたロウソクに関する公開実験を本にまとめたものです。今で言うでんじろう先生のショーと考えていいと思います。


 この本はノーベル化学賞を受賞された吉野彰さんも、理科好きになった原点の一冊として紹介するなど、科学者が影響を受けた本としてよく名前があがる本です。


 内容はアカデミックで大変面白いのですが、文章が古く読みづらいので、様々な出版社から出ているものを比較して、気に入ったものを買った方がいいかもしれません。


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2020年8月21日金曜日

昼間からラーメンと瓶ビール1310円:ちゃーしゅうや武蔵 長岡駅店

 午後から休みが取れた日の昼食では、大抵ビールを飲む事にしている。体重が気になるところだが、誘惑には勝てない。少し年季が入った食堂の冷えた瓶ビールが最高だ。

このちゃーしゅうや武蔵 長岡駅店は、券売機による前払い制だが、ラーメンを選ぶとサイドメニューに生ビールが表示されるところが良い。でも、私はドリンクメニューから瓶ビールを購入してからラーメンを選んでます。

^_^








重松 清 とんび (角川文庫)

 『7日間ブックカバーチャレンジ』番外編105日目


 今日は息子の高校で個人面談があります。息子の成績はそれほど良くは無いのですが、自分が高校生だった頃よりは、よほど良いので焦る事なく見ていられます。トンビが鷹を産むという言葉がありますが、今の息子は、鷹まではなくとも、トンビと鷹のあいのこ位でしょうか?


 さて、今日お勧めする本は、まさしくトンビと鷹のような親子、ヤスさんとアキラの物語です。


 ガテン系のヤスさんは、とにかく子煩悩。アキラの事になるとブレーキのかからないほど親バカぶりを発揮します。一方、アキラは超優秀。時に暴走するヤスさんを疎ましがらずに、むしろ支える存在に成長して行きます。


 涙無くしては読めない、父と子の成長の物語です。

(;ω;)


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2020年8月20日木曜日

伊庭 正康 会社では教えてもらえない 仕事が速い人の手帳・メモのキホン

 『7日間ブックカバーチャレンジ』番外編104日目


 職場で後輩の指導にあたる事もあります。自分もそうですが、後輩の悩みで多いのは、仕事の段取り、優先順位の付け方、スケジューリングに関するもののように思います。


 そこで今日お勧めする本は、スケジューリングの講師による、手帳の活用術に関する本です。


 この本によると、スケジューリングには、手書きの手帳が必須。デジタルのスケジューラーは共有のための補助として使うなど、まず手帳が役立つ仕事術が語られます。


 次に、スケジューリングの基本は、先々の予定をどんどん入れていく事。無理やりにでも、三週間先まで、埋める。注意点は、週に1日のバッファを設けて、予定の遅れを修正できるようにするとの事。


 他にも、打ち合わせのメモは写メを撮ってメール送信など、目から鱗の仕事術でした。


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2020年8月19日水曜日

貫井 徳郎 さよならの代わりに (幻冬舎文庫)

 『7日間ブックカバーチャレンジ』番外編103日目


 形あるものは必ず壊れる。諸行無常。家族や、大切な友達も、ずっと一緒にいるわけではありません。わかってはいますが、平常心のままではいられないものですね。


 さて、今日お勧めする本は、そんな時間の流れや無常などそっちのけ、タイムスリップして来た未来人が、殺人事件の謎を解くと言う、トンデモ設定のお話です。


 正直言って、謎解きのところは、それほど面白くないのですが、事件をきっかけとした、未来人祐里と主人公のラブストーリーとして楽しめました。


 タイムトリップものでは東野圭吾さんに時生という作品がありますが、本作とわりとかぶるところがあるような印象を受けました。


 どうしてもタイムトリップものは時間の宿命や絶対性から切ない話になってしまいがちであるのですが、この物語はとくに悲しいと思います。祐里の孤独な戦いに、最後はとても感動しました。


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2020年8月18日火曜日

晩酌セット1500円プラス100円:ラーメン いちまる

残業帰りのため、長岡駅東口の人気ラーメン店で、普段は食べられない晩酌セットに挑戦。

普段食べられないのは、晩酌セットにラーメンがついてくるから。いつもは、家でご飯が待っているので、とても手が出ない。

で、肝心の晩酌セットは、まず100円追加して瓶ビール。デフォルトは生ビールとの事。

おつまみは、モツ煮、いごねり、炙りチャーシューの三点セット。

締めのラーメンは、いつお出ししましょうかと聞かれたが、電車時間があるので、速攻でお願い。

ラーメンは、レギュラーサイズの生姜醤油味。とても美味しいが、夕食には少しカロリーオーバー。

朝の計量では、しっかり0.6kg太ってしまいました。

( ;´Д`)


ラーメン いちまる晩酌セット、瓶ビールに変更で税込 1600円、滞在時間30分でした。



 




衣笠彰梧 他1名 ようこそ実力至上主義の教室へ (MF文庫J)

 『7日間ブックカバーチャレンジ』番外編102日目


 今年の夏休みは、短かったり、お出かけしづらい事もあり、あっという間に過ぎてしまった気がします。私は家でゴロゴロして本を読む、週末が長くなった感じでした。


 さて、今日お勧めする本は、息子から教えてもらったライトノベルで、今、若い子たちに人気の小説「ようこそ実力至上主義の教室へ」です。すでにシリーズで20冊近い本が出ているそうですから、もう、漫画みたいなものですかね?


 この作品最大の特徴は、登場人物同士の議論だと思います。設定やストーリーは、やや手垢がついた感が否めませんが、登場人物が議論しながら少しずつ自分達の置かれた立場、為さねばならぬ事を明らかにしていく展開には、ページをめくる手が止まらなくなります。

  

 大人でも、手軽に読めて面白い本ですので、子供さんとの話題づくりにいかがでしょうか?

 


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2020年8月17日月曜日

有川 浩 シアター! (メディアワークス文庫)

 『7日間ブックカバーチャレンジ』番外編101日目


 昨日はNHKのドキュメンタリー、『サザン特別ライブ2020 「Keep Smilin’ ~素晴らしい明日を夢見て~」』を観ました。ご覧になった方も多いと思います。印象的だったのは、コロナ禍で仕事の激減した音響や照明などのスタッフが、今回、仕事の機会をもらった事をめちゃくちゃ感謝していた事でした。私達を楽しませてくれるステージを支える沢山の裏方の人達が、いま苦境に立っているのだと思います。


 誤解を恐れずに言えば、音楽に限らず、エンターテインメント業界は、ある意味三密の状況下でサービスを提供してきた業界ですから、コロナとの両立は本当に難しいと思います。それでもニーズがある以上、困難を乗り越えていく必要があります。私も音楽をやっている身として、サザンからかなり勇気づけてもらえました。


 さて、今日お勧めする本は、エンターテインメントの一翼、劇団のお話です。


 主人公の春川巧は、小劇団「シアターフラッグ」を主宰しています。しかしお金のない劇団ですから、兄の司にお金を借りに行きます。兄の司は、お金を厳しい条件で貸し、そこから劇団の再建が始まります。小劇団「シアターフラッグ」が継続していける劇団に成長できるのか、その取り組みの物語です。


 外側の視点から見てくれる鋭いよそ者(兄の司)が、既存の組織を生まれ変わらせるというストーリーは、作者お得意のパターン。しかし、これが痛快で作者の他作品に手が伸びてしまいます。 


 本作でも、仕事ができる兄と弟の芸術的才能という兄弟のやりとりがとても魅力的に仕上がっています。 楽しむものを見に行って悔しいと思う気持ち。というエンターテイナーとしての視点は確かに目新しいものでした。


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2020年8月16日日曜日

池井戸 潤 銀翼のイカロス (文春文庫)

 『7日間ブックカバーチャレンジ』番外編100日目


 今日はドラマ半沢直樹の放送日です。昨日、ようやく撮り貯めた4話目まで観たところ、前半が終了したところでした。市川 猿之助の演じる伊佐山は名演技でしたね。今日からは後半銀翼のイカロス編です。柄本明が演じる箕部を私は楽しみにしています。


 さて、今日お勧めする本は、ドラマ後半の原作となる「銀翼のイカロス」です。あらすじは、帝国航空の経営再建をめぐって、国土交通大臣の私設機関タスクフォースと半沢直樹が対決すると言うものです。


 ドラマ同様、この小説は半沢直樹が上の立場の人間に対しても怯まず、スジの通った啖呵をきるところだと思いますが、今回は政治家の大物相手に啖呵をきるのですから痛快です。


 ぜひ、ドラマだけでなく、小説の半沢直樹も楽しんでみてください。

😊


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2020年8月15日土曜日

百田 尚樹 永遠の0(講談社文庫)

 『7日間ブックカバーチャレンジ』番外編99日目


 今日は終戦の日です。この日以降も戦争状態が続いていた方もいらしたそうですが、多くの方が敗戦を受けとめた日です。


 私は終戦について知らなかった小さなころ、戦争のテレビを見た夜に飛行機の音を聞いてまた空襲されるのではないかと、布団の中で怖がっていた事を覚えています。もう少し、戦争の怖さだけでなく、終戦と言うものをアピールしてもらえれば、怖がる子供も無く、良いのではと思うのですが…。(^_^;)


 さて、今日お勧めする本は、特攻隊を描きベストセラーとなった「永遠のゼロ」です。


 残念ながら、この作品について、他作品から引用が多く、パクリだと酷評する人もいますが、それは私にとってはどうでも良いと思いました。それほど、この物語が伝える歴史ははるかに色濃く鮮やかだと感じたからです。物語は史実に勝る事もあるのだと思います。


 作中では、戦争に駆り出された兵士の想いが様々な形で語られ、その重さに押しつぶされそうになります。戦時中の軍上層部やマスコミに対する辛口な批評も良い事言ってくれたじゃないかと、溜飲が下がる気持ちです。


 なんといっても主人公宮部久蔵が死中に活を求めて日々闘う姿に胸が熱くなりました。この素晴らしい本に出会えて感謝です。


 あらためて、先の戦争で散っていった英霊に感謝します。


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2020年8月14日金曜日

池井戸 潤 ロスジェネの逆襲 (文春文庫)

 『7日間ブックカバーチャレンジ』番外編98日目


 毎週日曜日に半沢直樹の続編が放送されていますが、もうどの位進んだのでしょうか?私はずいぶん話を忘れてしまっていたので、原作を読み返すまで、初回を観ただけで封印しています。このドラマは原作を上手く踏襲していてくれるので、原作を読んでからの方が楽しめると思ったのです。


 そこで、今日お勧めする本は、今のドラマの原作となる、ロスジェネの逆襲です。テーマはタイトルどおりロストジェネレーション世代を扱っており、世代間格差についての憤懣などが含まれています。主人公半沢直樹は花のバブル組と言う位ですから、バブル世代。部下の森山はバブル世代の割りを食っているロスジェネ世代。そんなロスジェネ世代に半沢が諭す場面が印象的です。


 半沢直樹シリーズは、人は何のために働くか、問うているシリーズだと思います。主人公半沢は、立場などではなく、自分を必要とされる場所にいて、そこで活躍する事が一番幸せと言う。サラリーマンに限らず、働く人全てに力を与えてくれる作品だと思います。


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2020年8月13日木曜日

高野 和明 幽霊人命救助隊 (文春文庫)

 『7日間ブックカバーチャレンジ』番外編97日目


 お盆ですね。今日はお墓参りする方が大半と思いますが、コロナで帰省を自粛している方も多いのかもしれませんね。早くこの騒動がおさまると良いのですが…。


 さて、今日お勧めする本は、メインキャラクターが皆幽霊と言うお話。かつて自ら命を絶った幽霊たちが、この世の自殺志願者たちを助けていくという物語。


 「どうして人は自殺してしまうのか?」この暗いテーマを真剣に取扱い、見事に物語として作り上げた作者の技量が素晴らしいんです。


 本編外でも、養老さんの解説も良いんです。「未来が定まっていない以上、すべての絶望は勘違いである」って、名言だと思います。


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2020年8月12日水曜日

飯塚 訓 墜落遺体 御巣鷹山の日航機123便 (講談社+α文庫)

 『7日間ブックカバーチャレンジ』番外編96日目


 今日は、御巣鷹山に日本航空の飛行機が墜落してから35年だそうです。私はその頃中学生で、親戚合同で行った家族旅行から帰ったばかりでニュースを聞いた事を覚えてます。


 本書は、この事故で遺体の身元確認の責任者を務めた著者が、当時の体験を記録したドキュメントです。墜落現場の図面がついているのですが、そこから感じる生々しさが印象に残っています。


 記憶の風化は、やむを得ない物ですが、振り返る機会も大切かと思います。


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2020年8月11日火曜日

又吉 直樹 火花 (文春文庫)

 『7日間ブックカバーチャレンジ』番外編95日目


 今日お勧めする本は、かなりの方が読んでいるとは思うのですが、まだ機会のない方もいると思うので、ご紹介します。


 ストーリーはベタな売れない芸人の話です。主人公の徳永と、徳永が衝動的に弟子入りした師匠の神谷。この二人がお笑いに対して懸命に取り組む日々が綴られていきます。


 芸人である作者だから書ける笑いに対する哲学、笑いの力を信じてやまない感じ、それがリアリティを持って伝わってきます。


 まっすぐ道を進む中で時たま漏れる迷い。夢を追う人には響く優しさが溢れていると思います。かなりの回数で涙腺を刺激されました。


 特筆すべきは、作者の文章力です。「大地を震わす和太鼓の律動に、甲高く鋭い笛の音が重なり響いていた。」という一文から物語が始まるのですが、言葉選びの絶妙なところが伝わってくると思います。


 芥川賞作品かどうかにかかわらず、素晴らしい作品ですので、ぜひご一読をお勧めします。

😊


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2020年8月10日月曜日

新田 次郎 新装版 劒岳 ―点の記 (文春文庫)

 『7日間ブックカバーチャレンジ』番外編94日目


 今日は山の日ということで、山の本をご紹介します。


 日露戦争直後に前人未踏と言われた劒岳に、三角点設置を命じられた柴崎芳太郎たち測量隊の物語です。現代と違い、趣味で山に登る者は殆どなく、山を知るのは行者や猟師しかいなかったそうです。


 そんな中、不可能とも思える仕事に取り組む柴崎らの懸命な姿に感動しました。特に案内人宇治長次郎の献身的な仕事ぶりと長次郎に絶対的な信頼を置く柴崎らの人間関係も読んでいて気持ちが良かったです。


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2020年8月9日日曜日

鬼塚 忠 恋文讃歌

 『7日間ブックカバーチャレンジ』番外編93日目

 7日間ブックカバーチャレンジからこの番外編まで数えて、100冊目。感動の一冊を紹介したい。私がこの作品を知ったのは、図書館の新刊本コーナーで目にしたのが初めてだったが、偶然の出会いに大感謝だった。この作品が文庫化も電子化もされていないのが残念でならない。

 さて、その内容ですが、祖父母の戦争体験を調べていき、隠された祖父からのメッセージを探し当てようとする物語。

 戦争の残酷さ、悲惨さが思いっきり心に刺さります。戦争は8月15日に終わったはずなのに、どこにでも終戦と同時に平和が訪れるというわけではなかったのです。特に大陸にいた、祖父母たち一般市民にとっても本当の地獄はそこから始まります。

 そして、ときには友好的に、ときには腹の底が見えない恐ろしい存在として描かれた、朝鮮人、ロシア人などから、そう簡単に埋まらない人種の壁を感じました。

 あっという間に物語の中へ引きずりこんでしまう巧みな文章も素晴らしいです。ぜひ、読んでみてください。めちゃくちゃ泣きます。

😭

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2020年8月8日土曜日

柳田 理科雄 空想科学読本

 『7日間ブックカバーチャレンジ』番外編92日目

 夏休みの自由研究といえば、何年か前に小説「走れメロス」の記述から、メロスの移動速度を算出検証した、「メロスの全力を検証」という中学生の研究を思い出します。

 その検証のなかでは、あんなに一所懸命に走っているようなメロスもラストスパートですら、時速5.3kmとの事ですから、文章とデータではかなりの差が生じてしまうようです。

 コロナ騒動でも、データを文章化する際にいろいろと印象を植え付けられているような気がしてなりません。

 さて、今日お勧めする本は、創作の世界を科学的に検証する第一人者、柳田理科雄さんの空想科学小説読本です。シリーズ200万部の人気のある書籍です。

 この本に貫かれているのは、科学の基本です。それは、様々な事実を数字で置き換えてみようとする試みです。そしてSFの世界の現象も同様に置き換えたらどうなるか、という面白さがこのシリーズの肝です。著者の持つ数値への畏敬の念であふれています。

 逆に言えば、SFの創作者が数値に少し疎いところから、1兆度の火の玉を発するゼットンなどのとんでもない設定が登場するのかもしれません。

 とにかく数字を大切にとらえることから、科学は始まっていくのだと思いました。とても面白い本です。

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2020年8月7日金曜日

外山 滋比古 思考の整理学 (ちくま文庫)

『7日間ブックカバーチャレンジ』番外編91日目

 去る7月30日に英文学者で、お茶の水女子大学名誉教授の外山滋比古さんが胆管がんのため亡くなったとの事です。外山さんは90歳を超えてなお、執筆活動を続けてこられたすごい方です。大変残念でなりません。

 今日お勧めする本は、外山さんを代表する著書。東大生、京大生に最も読まれた本との事で文庫化されてから30年で、200万部売れたという驚異的なロングセラーです。

 内容はと言うと、アイデアを出して磨いていくことや、学ぶ事の意義などについて、語ったエッセイです。非常に読みやすい文章にもかかわらず、近年私が目にしたビジネス本(企画系)の内容はこの本一冊でカバーされています。

 これが30年以上前に出ている本なのだからすごい。この本に出会えてよかった。

 外山さんのご冥福をお祈りいたします。

番外編では、ジャンルに拘らず、自分がもう一度読みたい本、どうしても人に勧めたい本を上げております。




2020年8月6日木曜日

貴志 祐介 青の炎 (角川文庫)

『7日間ブックカバーチャレンジ』番外編90日目

 来週は早くもお盆ですね。コロナの影響で、帰省を自粛するような呼びかけもありますが、田舎に住む私としては、淡々といつもと変わらぬ墓参りとなりそうです。親戚が集まる事は難しそうですが、ビールだけは切らさぬように、準備しておきたいです。
😊

 さて、今日お勧めする本は、ノワール小説の傑作「青の炎」です。嵐の二宮が主演を演じた映画も上映されたので、そちらでご存知の方もいらっしゃるかもしれませんが、小説も凄く良いです。

 主人公櫛森 秀一は、17歳の高校生ですが、愛する家族を守るため、たった一人で完全犯罪での殺人による解決を目論みます。しかし、ほんの小さな綻びからどんどん窮地に立たされて、自分の望まない結果に進んで行きます。この若さ、幼さ、まっすぐさが、まさしくタイトルで表現されています。

 作品全体に漂う主人公の孤独さや、苦悩が伝わってきて、読んでいることが辛くなります。しかし、心に残る作品となると思いますので、ぜひご一読ください。

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創作居酒屋つながり(繋)

長岡駅東口の居酒屋です。
二人以上で2000円飲み放題が選べます。
生ビールも瓶ビールも飲み放題に含まれていて、さらにサッポロで嬉しい。
鶏料理が絶品!
唐揚げ、角煮、グラタンと、人気メニューというのも頷けます。


つながりサラダ:ボリュームにびっくり
鶏角煮:生姜が効いていて絶品
鶏グラタン:チーズと鶏肉がベストマッチ

2020年8月5日水曜日

野村 克也 高校野球論 弱者のための勝負哲学 (角川新書)

『7日間ブックカバーチャレンジ』番外編89日目

 令和2年度新潟県高校夏季野球大会ですが、昨日は準決勝、明日は決勝戦が開催されます。どちらが勝っても、甲子園の切符は無いわけですから、少し寂しい気はします。

 さて、今日お勧めする本は、今年2月に亡くなった、野村克也さんが高校野球についての思いを述べた本です。

 野村さんはプロ野球はもちろん、社会人野球、少年野球など幅広く監督を務めてきていますが、高校野球の監督経験はなく、ぜひやってみたいとの思いが綴られています。

 さまざまな格言も多く、その中からの抜粋したものを以下に記します。

「人間的成長なくして技術的進歩なし」私は選手にそう言い続けてきたが、いくら技術だけを磨いても、考え方や取り組み方がしっかりしていなければ進歩には限界がある。強いチームをつくるには、技術指導だけでなく、人間教育が非常に大切なのである。

 
番外編では、ジャンルに拘らず、自分がもう一度読みたい本、どうしても人に勧めたい本を上げております。




2020年8月4日火曜日

アーネスト ヘミングウェイ 老人と海

『7日間ブックカバーチャレンジ』番外編88日目

 今日お勧めする本は、みんな一度は聞いたことのあるロングセラー、「老人と海」です。私は、つい最近読んだばかりですが、確かに名作ですね。

 小説の概要ですが、カジキ漁を生業として生きる老人の話です。老人は小さな舟に乗り、遥沖合いで一人自然に立ち向かっています。

 老人はどんな困難に対しても、自分ができるだけの事を淡々と続けていきますが、この、どんな不幸にも負けず、常に前だけを向いて生きる老人の強さに、感動をおぼえます。

番外編では、ジャンルに拘らず、自分がもう一度読みたい本、どうしても人に勧めたい本を上げております。




2020年8月3日月曜日

角田 光代 八日目の蝉

『7日間ブックカバーチャレンジ』番外編87日目

 ようやく梅雨が明けました。小学校も今週中に夏休みが始まります。

 今日お勧めする本は、クライムノベルの傑作、八日目の蝉です。不倫関係のもつれから生じた、とにかく切ない話です。

 女性の立場の弱さや、逆に母性からの生きる力の強さなど、全体的に漂う切なさの中に、様々な事を考えさせられます。

 八日目の蝉と言う言葉に込められた意味を知り、タイトルの絶妙さに感服しました。誘拐犯である主人公希和子が懸命に子供を育てる姿に、実の親子のような愛情を感じ、犯罪者なのか被害者なのかよくわからなくなってしまいました。

番外編では、ジャンルに拘らず、自分がもう一度読みたい本、どうしても人に勧めたい本を上げております。




2020年8月2日日曜日

田村 研一 ホームレス大学生

『7日間ブックカバーチャレンジ』番外編86日目

 私はコロナによる病死者より、不況による自殺者の方を心配しています。すでにホームレスが増え始めており、コロナ不況などと言っていますが、コロナ報道不況の方がしっくりくる様に思います。

 スティホーム週間でみんな頑張って感染者を減らすまでは行きましたが、撲滅するには至らず、その後感染者は増加の一途を辿っています。飲食店の営業時間を短縮したり、飲み会を制限したとしても、効果が数字に現れないであろう事は、容易に予想できます。

 新しい生活習慣だの言っても、歯止めにはならない事がはっきりした今、コロナをどの様に許容していくかという、新たな政策が必要だと思います。

 さて、冒頭で述べたとおり、不況で自殺者が増えない事を祈るばかりですが、麒麟田村兄弟のたくましい体験談を読んで、勇気を貰うのはいかがでしょうか?

 今日お勧めする本は、麒麟田村のお兄さん、研一さんの著書です。ベストセラー「ホームレス中学生」の二番煎じの様に感じますが、かなり、いい話です。私はむしろこちらをお勧めします。

 この本を読んで、「ホームレス中学生」の主旨は貧乏話ではなく、温かい人に囲まれて生きてきたことへの感謝であることが、さらによくわかります。

 しかし田村兄の強烈な責任感には圧倒されました。兄弟がいるってありがたいことですね。

番外編では、ジャンルに拘らず、自分がもう一度読みたい本、どうしても人に勧めたい本を上げております。