『7日間ブックカバーチャレンジ』番外編273日目
今年の正月は、窓から降り止まない雪を見て、どうなるものか心配するというルーティンをただ繰り返してばかりでした。先日はテレビの話をしましたが、テレビで唯一信じられるのは天気予報と株価の数字だけだと何かの本で読んだ記憶があります。確かに天気予報では、寒気の南下と気圧配置から、降雪の予報をし、過去のデータや、いつまで続くのかという先行きなど、およそ考えられる連続した情報を伝えてくれる素晴らしいツールだと思います。天気予報をよく見ていればもっと落ち着いた日々を過ごせたのかもしれません。
さて、今日お勧めする本は、世界紛争の情勢をその根本となる民族や宗教などからわかりやすく解説してくれる本です。
本書は、池上彰と佐藤優という、智の巨人ともいうべき二人の対談で著された本です。それぞれ、ジャーナリストと元外務省主任分析官と畑は違いますが、共に国際情報のプロですから、情報の補いかたが半端ではありません。
この二人が語るのは、まず戦争についての基本的歴史のおさらいから始まり、ウクライナなど欧州、次に中東の話題、そして北朝鮮、尖閣諸島、アメリカについてと、章をさいています。過去から現在の流れがわかる様に、かなり突っ込んだところまで話しているのですが、比較的平易な言葉で監修されているため、読みやすいです。
話題が変わって、第8章では国際情報に限らず、情報ソースは何を使うか、情報の整理はどうするかという話題に移ります。面白いのは、二人とも新聞などオープンソースが主体の情報収集をしている事。そして、大学ノートを基本の記録媒体としているところが面白い。インテリジェンスのプロがどのように情報に触れ取り扱っているかを学べます。
中東情勢やウクライナ問題など、読み解いていくために必要な宗教や民族についての情報から詳しく語られているところがよかったです。また、破綻国家と言って、国土の実効支配が出来ていない国があるというのは、よく知らないことでした。ガソリン価格など実生活へも国際的な動きがシビアに影響しているのですから、もう少し実感を持って学ぶ必要があるようです。そんな国際情勢通になっていくためにも、もう少しこの手の本を読み込んでいく必要があると感じました。
本書を通じて、目に見える情報を理解するには、目に見えないところに流れる連続的、根元的な情報に通じる大切さを知ることが出来ました。私はテレビのニュースを窓の外の雪のように見ていますが、インテリジェンスに長けた人たちは、天気図から予想した天気を、答え合わせする様にニュースを見ているのかな?と思いました。
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