『7日間ブックカバーチャレンジ』番外編ラスト40日
送別会を行うことはそんなに悪いことなんでしょうか?法律にも抵触しない、個人の時間での行動で職員が処罰されることはあってはならないことだと思います。政府はもう少し腹を括って、堂々とことに対処するべきだと思います。自粛警察が正義みたいになるのは危険です。
さて、今日お勧めする本は、二人の少女と家族の物語です。
主人公は、朋子という中学1年生の少女です。朋子はある事情から、母方の親戚にあたる芦屋の大富豪の邸宅で1年間過ごすことになります。
その芦屋の邸宅での生活が、本書の大部分を占めるのですが、登場人物は従姉妹で一つ年下の小学6年生のミーナ。ミーナの祖母でドイツから日本にお嫁に来たローザおばあさん。住み込みのお手伝いで、ローザおばあさんの親友とも言える仲の米田さん。飲料水会社の社長で、ベンツを乗り回すハンサムな伯父さん。口数が少なく、一人喫煙ルームで、ウイスキーとタバコを嗜む伯母さん。それぞれバラエティにとんでいます。
そしてとっておきなのは、コビトカバのポチ子。ポチ子は伯父さんの10歳の誕生日に、西アフリカのリベリアから買ってきたもので、もう35年もこのお屋敷の庭で暮らしています。ポチ子には大事な役割があり、それは喘息持ちで、体の弱いミーナを小学校まで送り迎えすることです。椅子の足を切った鞍を載せたポチ子に、ミーナが正座して乗り、庭師の小林さんが手綱を握って、毎朝小学校に通うのです。ミーナと小林さんとポチ子の行進は威風堂々としたものだったと描かれています。
1972年から73年までの1年間の芦屋の邸宅で過ごした夢のようなお金持ちの家族にも、触れてはいけない秘密があります。そんな特殊な家族の幸せに触れるような、あたたかい読後感に浸れます。是非ご一読ください。
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