2020年5月21日木曜日

小川 洋子 博士の愛した数式 (新潮文庫)

 『7日間ブックカバーチャレンジ』番外編


番外編では、ジャンルに拘らず、もう一度読みたい、人にも勧めたい本を上げていきたいと思います。


番外編13日目は

小川 洋子

博士の愛した数式 (新潮文庫


 ミステリーなどとは違い、ドキドキするような躍動感は無くとも、物語の世界にひたるという読書もとても良いものです。この作品はひたれる小説の代表格だと思います。

 この作品を読んで考えた事の一つに、リスペクトと敬意の違いです。ほとんど同じ意味の言葉だけど、語感はまるで違う。リスペクトは、手が届きそうだが、敬意は、まるで手が届きそうにないものに対する感情の様に感じます。

 「博士の愛した数式」には、自分の手が届かない叡智への惜しみない敬意が込められています。

この、とても静かで、とても美しい物語にぜひひたってみてください。

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