以前にも紹介していると思うのですが、バリ島に住む日本人大富豪兄貴(丸尾孝俊氏)の語る人生訓などを紹介する本です。ジャンルで言えば、自己啓発本になるのかもしれません。
また、読み返してみたのですが、読むたびに発見がある、いい本です。
以前にも紹介していると思うのですが、バリ島に住む日本人大富豪兄貴(丸尾孝俊氏)の語る人生訓などを紹介する本です。ジャンルで言えば、自己啓発本になるのかもしれません。
また、読み返してみたのですが、読むたびに発見がある、いい本です。
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息子が家を巣立ってから、半月程も経ち、私も家族もようやく落ち着いてきました。もっとも、落ち着かなかった原因である息子といえば、毎日のように新しい生活についての呑気なメッセージを家族に送ってきています。心配していた家族にとっては、それを見てホッとしたような、バカを見たような気持ちになっています。
何度かビデオ通話をしたことも良かったですね。今の時代は、家族会議もリモートで顔を見ながらできるのですから本当に便利です。息子いわく、自分の部屋からリビングが数百キロ離れただけの話だと。
私は、今回の件で、大げさに表現するようですが、自分が精神的に壊れてしまうような、不安な気持ちを持ちました。それは、息子が去っていく事で、取り返しのつかない時間の流れを強烈に思い知らされたからです。これまで、18回も当たり前のように繰り返してきた誕生日のお祝いは、もうできません。それどころか、それ以外にも家族での団らん自体が、ハードルの高いイベントになってしまいました。つくづく、これまでの当たり前のような一日の大切さを思い知らされました。
自分が、親元を離れた時にも、寂しい気持ちや、家族の形が変わるというショックは、確かにありましたが、自分の目の前に広がる新しい世界に無我夢中で、残された家族がこれほど寂しいとは思いませんでした。
今回の息子の受験では、私を含め家族も最大限のサポート体制を取りました。毎日の図書館への送り迎えはもちろん、食事や風呂などのスケジュールも息子のスケジュールに合わせ、彼のベストコンディションをキープすることに皆、真剣に付き合っていました。私は、主に土曜の夜9時、図書館から帰り遅い夕食を取る息子に付き合い、話を聞いていました。もっとも、自分の性格から、話を聞くよりも聞かせる方が多かったと思います。そして、あんなに不安を抱えて迎えた今年の4月に、息子は努力を成果として得ることができ、無事、大学生となって我が家を巣立っていきました。
あの辛かった受験期を含め、息子との日々は過ぎ去り、今は空っぽの部屋が残るばかりです。これからも、息子との楽しい思い出は、別の形で増えていくでしょう。十分承知しているつもりでした。しかし、振り返る材料ばかりが多すぎて、「時間」というものが持つ、すさまじい力を思い知らされました。それほど、圧倒的な喪失感だったのです。
最初の一週間は辛くて、藁にもすがる思いで、手に取ったのが、「卒母のススメ」という本でした。これは、子離れ親離れを卒母と称し、その体験に関する一般読者からの投稿101篇からできています。本当にそれぞれの多様な人生が描かれた一冊だと思います。例えば、子育てに疲れ卒母する日を夢見る人。子供の巣立ちで卒母し、抜け殻のようになる人。卒母に拘らず、淡々と親子関係を続ける人。などなど、さまざまな親子関係を知る事で、自分たち親子のあり方を見つめ直す事ができます。そんな本書は、子供の巣立ちに涙し、精神的に参っていた私にとって、良い薬となりました。
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ここ最近、毎週、受験生の息子を土曜の夜9時に車で迎えに行く。
帰ってきた息子の夕食と、私の晩酌で、二人きり鍋をつつく。
ここで、哲学的な、深い会話が始まる。
そこで、私は言った。
「お前は高校2年生まで数学の質問をしていたね、いつの間にか、しなくなったね」
と、息子が、応えて曰く。
「お父さん、sinθの積分って、出来る?」
わからない。出来ない。
「そうか、お前は、お父さんが答えられない様な質問はしなかったんだね。」
と、息子が応えて曰く。
「お父さんに質問をして、答えられなかった事は一度もない」
と。でも、実は最後の方の質問には、手こずって答えていたはず。
そこで、親子で気づいた!
子供は親の答えられそうな事は聞くけど、答えられない事は聞いてこないということ。
確かに、私も親父に聞く事と、聞かない事は、無意識に分けていた気がする。
この先、息子の勉強に関しては、答えられる事はないだろう。
それでも、人生に関わる質問ができる存在で、あり続けたいと思う。
それは、私が最後に親父に、真夜中、電話で泣きながら、人生でどちらに進めば良いかと質問した時の親父の様に。眠たい声で、お前はどうしたいんだ?と、ただただ、最後まで聴いてくれた親父のように、成れたら良いと思う。
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息子曰く、校長先生とか、多くの先生に、「若いうちにたくさん失敗しなさい」と言われたと。それって、どうなの?と。
っで、私は答えたんです。
人が成長するためには、失敗が最短ルートだよ。先生が言うのは間違いない。反省こそが成長の鍵だよ。
息子曰く、「失敗したら、後悔するじゃない。反省と後悔って、何が違うの?」
っで、私は答えたんです。
誰だって、失敗すれば後悔する。だけど、後悔の引きずり方は、人それぞれ。そして、後悔を反省に切り替えるために、大事な言葉があるの。
それは、「じゃあ?」この二文字。どんなに辛く悲しい経験をしても、「じゃあ、どうする?」って、独り言のように口にすると、脳みそはバカだから、一生懸命前向きな答えを探すんだよ。
もう一つ、私は息子に付け加えて話したのです。
人は反省すると大きく成長できる。イチローだって、誰も反省しないような細かいところを反省して、一流になれた。だから、反省は、人が成長する上でめちゃくちゃ大事な要素。
でもね、反省で人が成長するには、ものすごいエネルギーが必要なの。そのエネルギーになるのは、自惚れとか、根拠のない自信なの。だから、何でも良いから、何か上手くいったら、目一杯、自分を褒めてあげて、良い気分に浸るの。その気持ちよさが、自分を先へ先へ押し上げていってくれるんだよ。
っと。
皆さんは、どう思いますか?
ローランドのこの本は、自惚れが人を成長させることを学べる良いテキストです。とてもおすすめの書籍です。
心の震える読書体験をしましたよ。中山七里さんによる『護られなかった者たちへ』という小説です。先月から上映されている同名映画の原作だそうです。
震災後間もない仙台市と塩竈市が舞台です。非の打ち所がない善人として知られていた福祉事務所職員が殺される事件が起こります。その事件の謎を笘篠と蓮田という二人の刑事が探っていく中で、一般には知られることのない、福祉事務所の仕事の様子や、生活保護制度の実情が知らされていきます。
感想としては、貧困について、福祉政策について深く考えさせられる硬派な作品だと思いました。それだけに、ミステリーというジャンルに拘ったが故の、ストーリー展開に不満を感じました。若干不自然で、蛇足に思えたのです。
しかし、貧困についての描写と、人間ドラマの切なさが秀逸です。特に、物語の中盤で語られる、老人、母子家庭、前科者という、社会的に立場の弱い3人が肩を寄せ合い、築いた貧しくても暖かい擬似家族が物語全体の色合いを変えていきます。そんな束の間の幸せが少しずつ壊れていく描写が読んでいて辛かったです。
よもや、この物語のような悲劇が現実に起きているとは考えたくはありませんが、ネット上で有名なひろゆき氏がYouTubeで気軽に生活保護申請を語る様子が不快に思えてならないようになりました。
まだ、映画もやっているようなので、読書が面倒くさい方は、映画『護られなかった者たちへ』をぜひご覧になってください。