以前にも紹介していると思うのですが、バリ島に住む日本人大富豪兄貴(丸尾孝俊氏)の語る人生訓などを紹介する本です。ジャンルで言えば、自己啓発本になるのかもしれません。
また、読み返してみたのですが、読むたびに発見がある、いい本です。
この本にはの教えが24の理論に名付けられて紹介されているので、誰でも一つはなるほどと思える言葉に出会えると思います。
今回私に刺さったのは、荒れた海を行く船長を例にして語られるリーダー論『着岸点理論』です。ここで語られる船長は、大荒れの海の上、船の運行の責任を負っています。当然、船を大事に管理することもその一つです。
兄貴の問いは、荒れた海を航行する中で、船員がもう漕げませんと限界を訴えてきたときどうするかというものです。
筆者(クロイワ氏)は、着岸するよりも穏やかな海域への避難を選択するのですが、兄貴は全否定します。曰く船長は船員をなによりも大切にしなければならない。この場面でのベストチョイスは、まっすぐ陸を目指し着岸する事だそうです。荒れた海ですから船も壊れるかもしれないけど、優先すべきは、船員とのことです。荒れた海で上陸するのは危険なので、船員大切にするなら避けるべきというツッコミは当然成立すると思いますが、兄貴が伝えたいことは、リーダーは、理想や好み等よりもチームのメンバーを一番大事に考え、最短ルートで目的を目指さなければならないというリーダー論なのです。
何度読んでもひきこまれる金言の数々です。この本における主旨は、人を大切にする。努力を怠らない。実践、現場から物を考える。自分の直感、好奇心に真摯に生きる。これを大切にするということ、とにかく人を大切にすることがいの一番に語られています。
世の中にある本にも書かれている、手垢のついた当たり前の成功哲学も、本書ではペンギンやら、キウイやら、ドラクエやら、ウサギとカメやら、見事なレトリックで軽快に語られて行くところが新鮮に見えます。そして、その一つ一つが、素直に自分の芯にしみていきます。読後は以前の自分と確実に変わっていることに気づきました。ゆっくり読んでも2時間かからない読みやすさもあり、オススメです。
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