映画「峠」の河井継之助の台詞に、
「長岡藩家老としての立場では…」「主君と気持ちを一つにする」など、立場を踏まえた論理展開がされている。
実際、小説「峠」の主人公河井継之助は、自分の立場を踏み越える事なく、物事に当たる人であったことが強調して描かれている。
そこが彼の長所であり、欠点であったのであろう。今になれば、自分の立場の中で、最大限努力したことが伝えられて、そこが彼の最大の魅力として人々に賞賛されているように思う。
では、立場とは何か?
客観的に与えられたり認められた地位である。立場をわきまえるとは、自分の発言や行動が客観的に与えられたり認められた地位を前提になされているかどうか、内省する事である。
つまり、立場をわきまえない言動とは、客観的に与えられたり認められた地位から乖離した言動なので、第三者に素直に受け止めてもらう事は困難であり、無理強いすればするほど、反発を招く事になる。
例を挙げれば、ホリエモンによるニッポン放送買収がわかりやすいと思う。ホリエモンは確かに企業買収するお金や実力は持っていたかもしれないが、あの買収劇を見ていた一般庶民には、立場をわきまえない振る舞いに見えていたように感じる。だからこそ、ホリエモンは買収に失敗し、訳の分からない罪で収監される事になったのだろう。
あくまでも、立場をわきまえるというのは、言動が正しいかどうかではなく、人に上手く自分の意思が伝わるかどうかに直結するセンスなのである。
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