2021年12月18日土曜日

父と息子

 ここ最近、毎週、受験生の息子を土曜の夜9時に車で迎えに行く。

帰ってきた息子の夕食と、私の晩酌で、二人きり鍋をつつく。

ここで、哲学的な、深い会話が始まる。


そこで、私は言った。

「お前は高校2年生まで数学の質問をしていたね、いつの間にか、しなくなったね」

と、息子が、応えて曰く。

「お父さん、sinθの積分って、出来る?」

わからない。出来ない。

「そうか、お前は、お父さんが答えられない様な質問はしなかったんだね。」

と、息子が応えて曰く。

「お父さんに質問をして、答えられなかった事は一度もない」

と。でも、実は最後の方の質問には、手こずって答えていたはず。

そこで、親子で気づいた!

子供は親の答えられそうな事は聞くけど、答えられない事は聞いてこないということ。

確かに、私も親父に聞く事と、聞かない事は、無意識に分けていた気がする。


この先、息子の勉強に関しては、答えられる事はないだろう。

それでも、人生に関わる質問ができる存在で、あり続けたいと思う。


それは、私が最後に親父に、真夜中、電話で泣きながら、人生でどちらに進めば良いかと質問した時の親父の様に。眠たい声で、お前はどうしたいんだ?と、ただただ、最後まで聴いてくれた親父のように、成れたら良いと思う。


2021年12月3日金曜日

知れば知るほど、聴けば聴くほど、凄い曲:YOASOBI『夜に駆ける』


  息子に教えてもらったのですが、ちょっと前に流行ったYOASOBIの『夜に駆ける』という曲に元ネタがあるとの事。これが衝撃的でした。

 その元ネタとは、ネットで発表されている超短編小説『タナトスの誘惑』です。

 内容をざっくり紹介すると、自殺願望に囚われた彼女を必死に引き止めようとする男の子の話です。超短編なので、3分あれば読めてしまいます。是非読んでみて欲しいです。

 『タナトスの誘惑』を読んでから、あらためて『夜に駆ける』を聴いた時の衝撃は凄いものがありました。多少は音楽をかじっている身としては、この曲を作り上げたYOASOBIの凄さには鳥肌がたちました。

 一つ一つの音色に込めた情景、物語を歌詞に変換する力、楽曲の持つ世界観をさらに深める歌唱力。細かい工夫が、たくさん散りばめられていて、それが一つの曲としてまとまっている。奇跡みたいな曲だと思います。

 これまで、ただ今風のいい曲だと思っていた曲は、とんでもない化け物の様な曲でした。

 この他にも、YOASOBIの曲の原作が本になっているので、買ってしまったのですが、皆さんも、もし興味があったら、以下のリンクからどうぞ。
 
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